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冷却塔トラブル改善プロ

冷却塔(クーリングタワー)から泡が出る原因とは

こんにちは、「冷却塔トラブル改善プロ」の杉山です。

「冷却塔(クーリングタワー)から大量の泡が出ているのですが」

現地を訪問してみると、冷却塔(クーリングタワー)の水質管理に不満を持たれており、現状の「水質が良いのか、悪いのかを知りたい」とのことでした。

化学工場のお客様でしたので、水質汚濁防止法で指定された「特定施設」のため、冷却塔(クーリングタワー)の排水を心配されていました。

工場内を案内され、現場を見せていただくと、冷却塔(クーリングタワー)からは大量の泡が・・・

冷却塔 泡

他社で購入された水処理薬剤を入れられるのですが、冷却水は濁っており水質管理がされていない様子です。

冷却水が過剰濃縮しており、薬剤が入りすぎている状態です。冷却水の管理には、水の濃縮にあわせて薬剤注入量の調節が必要です。

お客さんも、こんなに泡立っていたら、排水が心配になりますよね。

冷却塔 泡

「現状の、水質分析書を見せて頂けませんか?」とお願いしましたら

お客さん「水の分析書なんてもらったことありませんけど」

冷却水は、水質分析をしなければ、水中での薬剤濃度がわかりません。硬度分やpH、シリカなどの値が分からなければ水質管理ができません。

水質管理を業者さんへ委託されていたのですが、水処理薬剤の配達に来られていただけのようでした。

まずは、水質を知るために、水を採水し水質分析を行うことにしました。

冷却水の薬剤濃度は、水の濃縮具合によって常に変化します。夏場は、気温が高く蒸発量が増えるため、給水が増えます。逆に冬場は、気温が低いので水の蒸発量が減るため、給水も減ります。水処理薬剤は、給水量にあわせて冷却水に注入しますので、薬注ポンプの設定を夏と冬で変更する必要があります。

後日、水質分析が上がったので見てみると、一般的な冷却水処理剤でよく使われている成分が、高い濃度で検出されました。

今は、真冬の12月。

泡立っていたのは、薬剤の過剰注入が原因のようでした。薬注ポンプの注入設定は、年中同じ設定になっており、水の蒸発量が減る冬場に薬剤が多めに入っていました。

これでは、年間通してムダに薬剤コストが掛かっていたでしょうね。

薬剤の注入量は季節にあわせて設定を変えるだけで、薬剤コストが削減できます。