樹脂成型金型の冷却水処理
こんにちは、「技術と安心のサプライヤー」セールスエンジの杉山です。
樹脂成型をされているお客さんで、金型を冷やす冷却水の薬剤処理を行いました。
樹脂の成型ラインを新しく立ち上げられたばかりのお客様でした。
新規でご提案を行ったのですが、当初は水処理の事をご理解いただけんせんでした。
初めに冷却水のサンプリングをさせて頂き、数日後、分析結果をもとに現状の水質についてご報告をいたしました。
私『水質のpH値が、排水の放流基準を越えておりますので排水には気を付けて下さい』
お客さん『冷却水を入れ替える際に、水で薄めて排水すればいいんだね』
私『はい。合わせて金型の錆が懸念されますので、防食剤の添加をお勧めします』
お客さん『そのうち考えておくよ』
私『そうですか・・・』(´・ω・`)
1ヵ月ほど経ち、再びご訪問させて頂きました。
冷却水の状態を見させて頂くと、水が赤茶色に染まっていました!
金型から錆が発生し冷却水ピット全体へと広がっています。
お客さんもようやく現状を把握され、すぐに防食剤の添加をご依頼いただきました。
まずは、数十トンある水の入れ替えを行う事にしました。が、しかし冷却ラインに排水用のバルブが見当たりません。
水の管理を考慮し配管ラインを設計してある事は、あんまり無いんです。
これじゃ、水の入れ替えができません。なので、温度計が取付けられた箇所を加工し排水用のバルブを設置しました。
半日かけて、pHの高い冷却水を水道水で希釈しながら排水し、水の入れ替えを行いました。
綺麗な水に入れ替わったところで、防食剤を添加し鉄の表面に不動態被膜を形成し冷却水ラインをしっかりと保護します。
樹脂の成形では、金型の温度管理が重要です。
スケールや錆などの発生で冷却水の流れが悪くなると、樹脂の成形不良へと繋がります。
お客様が『過去に、錆で金型の水管が破れ何百万も費用が掛かった事がある』と言われておりました。
工場が安定稼働し、生産性向上のお手伝いができればと思っています。