冷却塔(クーリングタワー)のピット水位が低下する原因と改善方法

こんにちは、「技術と安心のサプライヤー」セールスエンジの杉山です。

 

「冷却塔(クーリングタワー)のピットの水位が、低下するのですが何が原因でしょうか?」

 

夏に向け気温が上がりはじめると、工場ではこんなトラブルが起こります。

 

気が付くと、冷却水ピットが干上がる寸前!

 

循環ポンプにエアが噛んだ!

 

プラントや工場設備が、緊急停止!なんて事につながります。

 

夏を迎える前に、冷却塔の点検はお済でしょうか?

 

冷却水ピットの水位が低下する原因について、お話しします。

よくある冷却水に関する、ご質問は→こちら

 

冷却塔の構造とは?

冷却塔(クーリングタワー)は、水が蒸発するとき周囲の熱を奪う「気化熱」を利用し水を冷やす装置です。冷却塔の中で水を散水し、冷却ファンが吸い込む風と接触させることで水を蒸発=気化させる仕組みです。

 

蒸発によって水は減りつづけますので、そのぶん補給が必要です。

 

一見、小さな冷却塔でも、1時間あたり数百リットルもの水を蒸発させているんですよ。

 

なぜ、ピットの水位が低下するのか?

多くの設備では、冷却水ピットの水位をボールタップによって保たれています。

 

ボールタップの構造は、空気の入ったボール(ポリ玉)が水面に浮かび、ピットの水位が下がるとボールにつながった本体の弁が自動で開き給水します。冷却水ピットが満水になると弁が閉じ、給水が止まります。

 

ボールタップは、自動給水装置と呼ばれたりもし、冷却塔にとっては重要な部品の一つです。

 

ピットの水位が低下するのは、ボールタップが原因の給水不良が考えられます。

 

ボールタップ給水不足の点検ポイントは?

ピットの水位が低下するのは、ボールタップの給水不良です。

 

水が出なくなる原因は、以下の事が考えられます。

 

・ 元バルブが閉まっている

・ ボール(玉)が引っ掛かり、弁が開かない

・ 内部のストレーナ(金網)の目詰まり

 

多くの原因は、ストレーナ(金網)の目詰まりです。

冷却塔ボールタップ目詰まり

 

ボールタップの上部をスパナで回すとキャップがネジになっており、外すと中に、小さなストレーナが入っています。

クーリングタワー ボールタップ

 

給水配管から流れてくる鉄さびがストレーナに目詰まりし、ボールタップから水が出なくなります。

ストレーナ 目詰まり

 

冷却塔クーリングタワー)で使用するボールタップでは、内部のストレーナ(金網)をはずす事をおススメします。

 

冷却塔メーカーによっては、初めからストレーナを外してある機種もあります。

 

とくに、気温が高い夏場は、冬場と違って水の蒸発量が増えますので、冷却水ピット水位の低下につながります。

 

冷却塔ボールタップ

 

ボールタップ点検のやり方

 

・手でボールを押し下げてみて、給水口より水が大量に出ていますか? ストレーナが詰まっている時は、ボールを押し下げても水がチョロチョロしか出てきません。

 

・ボールを押し上げると、ちゃんと水が止まりますか? 弁のしまりが悪い時は、ボールを上げても水が漏れて止まりません。

 

おかしいな?と思ったら、ボールタップは新品に交換してください。

 

冷却塔(クーリングタワー)で使用するボールタップは、複式がおススメです。

 

単式と違って、複式は、水位の微調整ができます。

 

なかでもお勧めなのが、KKK 兼工業の圧力バランス型ボールタップFWシリーズです。

 

小刻みにボールタップが震えて、給水が止まらないウォーターハンマーバイブレーション(水面の波が影響して起こる現象)が起こりません。

 

冷却塔(クーリングタワー)のボールタップは、日常点検を行うことをお勧めします。

 

Youtubeでも冷却水ピット水位の低下について、解説しています。

 

「水のかかりつけ医」セールスエンジとは

熊本県荒尾市で、工場で使用される熱処理設備の水質管理を専門とした水処理屋です。冷却水の水質管理から冷却塔(クーリングタワー)の点検、修理、メンテナンスまで、水のことから設備のことまで知識が豊富な会社です。

 

  • 専門知識:ファインセラミックス分野、化学原料、自動車関連(xEV)、電子部品、半導体関連などで使用される熱処理設備の水質管理が得意です。
  • 生産性向上:お客様の工場設備が24時間365日、安定稼働することを心がけており、徹底した水質管理で生産性向上をご提供します。
  • 迅速対応:できる限りお客様のご要望を優先し、トラブル時には迅速対応を心がけています。

弊社の水質管理では、熱処理設備のトラブル激減!10年経っても安定稼働!お客様の設備構成や熱負荷の状況にあわせて水質管理をご提案します。

熱処理設備の冷却水トラブルでお困りの方には、「冷却水の無料診断サービス」を行っています。ご質問などは、お気軽にご連絡ください!

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