冷却水処理の低濃縮と高濃縮の違い
こんにちは、「冷却塔トラブル改善プロ」の杉山です。
新しく導入される設備の冷却水薬剤について、
「低濃縮による水処理はできませんか?」とご質問を頂きました。
なぜそんな質問をされたのかと言うと、、、
高濃縮だと薬剤単価が高いので、単価の安い薬剤を低濃縮で提案して欲しいとのことでした。
冷却水の薬剤選定は、設備の内容と現場の水源によって決まります。
設備の内容とは、対象機器の凝縮器や熱交換器などの、
被冷却水側の温度条件と使用されている材質です。
現場の水源は、水道水、工業用水、地下水、河川水などによって含まれる、
不純物の成分(スケールに起因する、カルシウム、マグネシウム、シリカなど)が異なります。
低濃縮処理は、井戸水などで水がタダ同然の場合、
水をどんどん入れ替えて濃縮を防ぎ、スケールリスクを下げて、
安い薬剤=スケール防止の成分が少ない薬剤を補助的に添加することで、
冷却水処理にかかるコストを抑えることができます。
これを、水道代が高い地域で使用すると、薬剤コストよりも水道代の方が高くなったりします。
逆に高濃縮処理は、水をできるだけ捨てずに使うことで節水します。
そのため、水に含まれる不純物の濃度が高まりますので、
スケール防止の成分が多く入った薬剤を使用します。
水の使用量が限られていたり、水道単価が高い地域では、
こちらの方がトータル的にはコストダウンになる場合があります。
水処理は、単純に薬剤単価だけを比べるとコストダウンになりません。
現場の状況にあった水処理を考える必要があります。
水処理薬剤のコストダウンについて、解説しています。