冷却塔(クーリングタワー)とは

こんにちは、「技術と安心のサプライヤー」セールスエンジの杉山です。

冷却塔(クーリングタワー)って、いまひとつ仕組みや役割がよく分からないと思われていませんでしょうか。ここでは、冷却塔について詳しくご説明をいたします。

冷却塔とは

 

 

冷却塔(クーリングタワー)とは

冷却塔(クーリングタワー)とは、温まった水を気化熱によって熱を奪い水を冷やす設備です。気化熱とは、水が蒸発する際に周囲の熱を奪うことをいいます。熱いお茶を飲むときに息を吹きかけて冷ますのも気化熱を利用した冷まし方です。これと同じ原理をうまく利用しているのが冷却塔(クーリングタワー)です。冷却水は、冷却塔を通ると水温が下がるため、循環利用できるようになります。水を一過性で使用する場合と比べると節水ができます。
車で例えると、冷却塔(クーリングタワー)はラジエターにあたります。高温のエンジンを守る冷却水をラジエターで冷やしています。ラジエターが故障すると、エンジンが焼けてしまいますが、冷却塔も同じで生産設備や空調などが停止してしまいます。そのため、冷却塔の構造を理解し、普段からメンテナンスを行って頂ければと思います。

 

冷却塔の用途

ビルの空調で吸収式冷凍機やターボ冷凍機に使用され、工場では工業炉やコンプレッサーなどの冷却、発電設備では蒸気タービン復水器など、様々な用途で冷却塔(クーリングタワー)は使われています。

 

冷却塔の種類

冷却塔(クーリングタワー)は、丸形と角形の2種類があります。
  • 丸形冷却塔
    丸形冷却塔は、向流形(カウンターフロー)と呼び、上から落ちる水を下からの風で冷却します。冷却能力が100冷却トン以下の設備でよく使われます。
  • 角形冷却塔
    角形冷却塔は、直交流形(クロスフロー)と呼び、上から落ちる水を横からの風で冷却します。複数台を連結できる構図のため、冷却能力が100冷却トン以上の大型設備でよく使われます。
冷却水の外気との接触方法の違いで、開放式と密閉式があります。
  • 開放式冷却塔
    循環する冷却水に外気を直接あてて水を冷却します。メリットは、構造がシンプルなため冷却塔が安価です。デメリットは、冷却水の水質が悪化すると系内すべてでスケールや腐食障害、藻の繁殖が起こります。
  • 密閉式冷却塔
    密閉された銅チューブの中を冷却水が通り、管の外側に水を散布し内側の水を冷却します。メリットは、冷却水が汚れないため設備が長持ちします。デメリットは、冷却塔の内部に銅チューブがたくさん入っているため高額で、開放式と比べ価格が約2~3倍します。銅チューブを冷やす散布水の水質が悪いと腐食による穴あきからの水漏れや、スケールが付着すると熱伝導率が低下し冷却水が冷えなくなります。また、冷却水が凍結すると銅チューブが破損しますので、冬場で水温が低い場合、密閉配管内の水を抜くなどの凍結対策が必要です。

 

冷却塔の主要部品の役割

冷却塔(クーリングタワー)の主要部品の役割をご説明します。
  • 本体外面
    冷却塔(クーリングタワー)の外部を覆うプラスチックやFRP製のケーシングです。 
  • 充填材
    薄いプラスチック素材の波板を何十も重ね合わせ、一体化させたものです。充填材に冷却水を掛けて、水の表面積を広げることで冷却効率を上げる役割をしています。
    参照:冷却塔(クーリングタワー)充填材清掃のビフォーアフター
  •  エリミネータ
    充填材からでる飛散水(水しぶき)を補足して外部への飛散を防ぐ役割をしています。充填材の内側に取付けられています。
  • 冷却ファン
    FRPやアルミ製の大きな羽根です。冷却塔(クーリングタワー)に外気を吸い込み、冷却水と風を接触させる役割をしています。
  • 電動機・Vベルト
    冷却ファンを回転させる電動モータです。冷却ファンの駆動には、直結方式やVベルト・プーリ方式などがあります。
  • 散水槽(角形冷却塔の場合)
    FRP製の水槽で、多孔に開けられた穴から冷却水を充填材に散水する役割をしています。
  • スプリンクラー(丸形冷却塔の場合)
    中央のロータリージョイントに接続された散水パイプから冷却水を充填材に散水する役割をしています。
  • 下部水槽
    充填材から流れ落ちて水がたまる部分です。下部水槽に溜まった冷却水は水温が下がった状態です。
  • ストレーナ
    循環ポンプが吸い込む手前に取付けられており、ゴミなどが系内へ流れないように捕捉しています。
  • ボールタップ
    自動給水弁や自動給水装置など呼びます。冷却塔(クーリングタワー)は蒸発やブローダウンにより水が減るためボールタップにより新たな水を自動で補給する役割をしています。
    参照:冷却塔(クーリングタワー)のピット水位が低下する原因と改善方法

冷却塔の省エネ運転

冷却塔(クーリングタワー)の省エネルギー対策として、冷却ファンをコントロールする方法です。
  • 冷却ファンの台数制御
    冷却塔の冷却ファンが複数台ある場合、設定された水温に応じて運転台数を制御する方法です。
  • 冷却ファン発停制御
    冷却水の水温に応じて、冷却ファンをon-offさせる制御方法です。on-offの頻度が多いと起動時のVベルトのスリップで摩耗が激しくなります。
  • 冷却ファンのインバータ制御
    冷却水の水温に応じて、インバータで冷却ファンの回転を無段階でコントロールし制御する方法です。

冷却塔でよくあるトラブルの原因

冷却塔(クーリングタワー)が冷えなくなる原因は

  • 充填材が目詰まりし、風の通りが悪くなっている
  • Vベルトが切れて、冷却ファンが回転していない
  • ストレーナが目詰まりして、循環水の水量が低下している
  • スプリンクラー(散水装置)が回転せずに、散水不良になっている
  • 上部散水槽の多孔が目詰まりし、散水不良になっている

冷却水ピットの水位が低下する原因は

  • ボールタップが故障し、水が補給されていない
  • 補給水の元バルブが閉まっている

冷却水がオーバーフローしている

  • 補給水のバルブが開きっぱなしになっている
  • 自動ブロー弁が故障し給水されている

冷却塔の修理について

冷却塔(クーリングタワー)は、定期的に交換・修理が必要な部品があります。急な運転停止を起こさないために計画的に交換をお勧めします。
定期的に交換が必要な部品
  • 冷却ファンのVベルト・・・1年ごと
  • 冷却ファン軸受け・・・3~5年ごと
  • 電動機ベアリング・・・3~5年ごと
  • 充填材およびエリミネーター・・・10~15年ごと

参照:冷却塔(クーリングタワー)のファンベルトは点検されていますか?

 

冷却塔の清掃方法

冷却塔(クーリングタワー)は、藻類や細菌類、レジオネラ属菌の増殖防止、外気と共に混入する埃や塵が堆積するため、月に1回以上の清掃を実施してください。
参照:冷却塔(クーリングタワー)のセルフ清掃のススメ

 

冷却塔の水質管理

冷却塔(クーリングタワー)は、水を蒸発させて水温を下げているため、循環しているうちに水に含まれるカルシウム・マグネシウム・シリカ・塩化物などが濃縮されます。過剰濃縮になると水の中で飽和状態となり系内の配管や熱交換器、冷却塔の充填材などにスケールが析出してきます。腐食の進行や、藻の繁殖、レジオネラ属菌の増殖など濃縮によって様々なトラブルを引き起こします。そのため、冷却水は定期的な水質管理を行う必要があります。
参照:水質管理が必要な理由
  • 冷却水の濃縮を防ぐ方法
    ・冷却塔の補給水バルブを少量開いて、連続的にブローダウンします。給水量は、循環水量の0.5%を計算し、計量カップで給水量を測定して調整します。
    ・自動ブロー装置を設置し、電気伝導率をセンサーで測定し、設定値上限で自動的にブロー弁を開いて給水しオーバーフローさせて水を入れ替え、下限値でブロー弁を閉じる。これを繰り返し行い濃縮を防止します。
    参照:冷却塔(クーリングタワー)の濃縮を防ぐ方法について
    参照:冷却塔の薬注装置の仕組みと種類について
     

水質の管理基準値

水質の管理基準値は、冷却水の障害を防ぐために以下の範囲で管理する必要があります。

  • pH
    pH値によってスケール傾向か腐食傾向の水質かの判断基準となります。pHが高いアルカリ性ではスケールが析出しやすくなり、腐食は遅くなります。pHが低い酸性ではスケールは析出しずらくなり、腐食が速くなります。冷却水は、循環しているうちに、補給水と比べるとpHが高くなる傾向があります。逆に、pHが低い水質の場合は、外部からNOxやSOxを吸い込み水に溶け込んでいて腐食を引き起こす原因が考えられます。冷却水のpHは、通常7.0~9.0の範囲で水質を管理します。
    参照:冷却水のpHは、なぜ上昇するのでしょうか?
    参照:冷却塔(クーリングタワー)の配管が腐食する原因とは?
    参照:冷却塔(クーリングタワー)の腐食を調査する方法
  • 電気伝導率
    電気伝導率は物質の導電性を表しており、水処理では水の電解質濃度を知る指標とされています。電気伝導率が高いと、電解質の含有量が多いことになります。電気伝導率の管理値は、補給水の値×濃縮倍数により上限値を決めて管理します。
  • 塩化物イオン
    塩化物イオンとは、塩素(Cl⁻)のことで水の腐食性要因の一つです。濃縮倍数の上限を決める指標の一つです。
  • 硫酸イオン
    硫酸イオンとは、硫酸塩(SO₄²⁻)のことで塩化物イオンと同じく水の腐食性要因の一つです。濃縮倍数の上限を決める指標の一つです。
  • 酸消費量(pH4.8)
    酸消費量はアルカリ度ともいいます。水に溶解する炭酸水素、炭酸、水酸化物イオンなどを測定した値です。酸消費量が多いと、カルシウムとの結合によって炭酸カルシウムスケールができやすくなります。地下水を補給水として使用されている場合は、酸消費量の値が高いため、スケール障害には注意が必要です。
  • 全硬度
    全硬度とは、水に溶けたカルシウム硬度とマグネシウム硬度を合わせた量です。スケールを生成する大きな要因です。濃縮倍数の上限を決める指標の一つです。
  • シリカ
    シリカはガラスの元となる物質で、硬質のスケールを生成するため、水処理では最も注意が必要です。地下水や井戸水を補給水として利用する場合、シリカ濃度が高い水質がよくあります。水処理薬剤を使用されてない水質では、上限値50mg/Lで水質管理を行う必要があります。

 

冷却塔の水処理薬剤の種類

冷却水の水処理薬剤は、水質を管理するために効果的な薬剤です。

  • スケール防止剤
    カルシウム・マグネシウムの硬度成分、シリカが熱交換器や配管などのスケールを防止する水処理薬剤です。
  • 防食剤
    塩化物や溶存酸素の影響から系内の腐食を防止する水処理剤です。
  • スライムコントロール剤
    藻の繁殖、細菌類、レジオネラ属菌の増殖を抑制する水処理薬剤です。

参照:冷却塔(クーリングタワー)水処理薬剤効果とは

 

化学洗浄の種類

冷却水で、藻の繁殖やレジオネラ属菌の増殖、スケール障害により熱交換率の低下や水量低下などが起こった場合、化学薬品使った化学洗浄を行う必要があります。

まとめ

冷却塔(クーリングタワー)は、水を冷やす目的だけの設備ですが、トラブルが起こると系統すべての機器類が停止しする重要設備です。日頃の管理でトラブルを防止できますので、ご参考にされてください。

 

  • 冷却水が冷えずに、
    設備がしょっちゅう停止する…
  • 藻やヘドロが詰まって、
    冷却水が流れない…
  • うちの冷却水の水質は、
    排水しても大丈夫なんだろうか…
  • 冷却塔の充填材交換が
    高すぎて予算がない…

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