水処理薬品の使用量を削減する方法
こんにちは、「技術と安心のサプライヤー」セールスエンジの杉山です。
コロナ不況が製造業の業界にも影響が出始めているようですね。
その影響で、水処理薬剤をコスト削減したいと言った話も、最近、よく耳にするようになりました。
そこで、冷却水薬注装置の流量比例方式による水処理薬剤の使用量削減方法をお伝えしたいと思います。
水処理薬剤の削減方法
水処理薬剤は、薬注ポンプを使い自動で冷却水へと注入しています。
一般的によく見かけるのが、タイマー方式による薬剤の注入方式です。
タイマー方式による薬剤の注入
タイマー薬注方式とは、1分間ポンプが動作し薬液を注入し、その後、1時間停止し、1分間動作する。この動作を延々と繰り返すのが、タイマー薬注方式です。
この方式では、冷却塔(クーリングタワー)の熱負荷変動が起きても、薬剤の量は変わらず注入するため、夏場は、薬剤濃度が低下したり、冬場は、濃度が高くなる傾向があります。
タイマー薬注方式は、薬剤濃度が安定せず、注入量のムダが多いやり方です。そこで、薬注量を適正に保つことができる方法が、流量比例方式というやり方です。
流量比例方式による薬注
流量比例方式とは、タイマーと違い、冷却塔(クーリングタワー)に補給される給水量を流量計で計測しながら、比例して薬剤を注入する方法です。
パルス出力式流量計を使い、計測された流量に応じて発信される信号で、薬注ポンプが作動し、水処理薬剤が注入されます。給水量にあわせて薬剤が入るため、冷却水中での薬剤濃度が一定の濃度で安定します。
薬剤濃度が高くなることも無くなりますので、タイマー注入方式と比べ注入量を削減することができます。
パルス出力式流量計に種類
パルス発信式流量計の種類としては、以下のタイプを使用しています。
配管口径が、13A~32Aのサイズでは、愛知時計電機製のパルス出力式水道メーターをよく使います。
型式は、FMDSを使い、パルスが発信される流量が、10L、50L、100L、1㎥と種類がありますので、冷却塔の規模に応じて選定が必要です。
配管口径が、40A以上のサイズは、大豊機工製のパルス出力式流量計を使います。
型式は、WPD-RJになります。こちらも、流量の種類がありますので、選定が必要です。
流量比例方式の問題点
流量比例方式の問題点として、給水されている間は、常に薬剤が注入されてしまう点です。
例えば、ボールタップが故障し、水が漏れている場合、薬剤は入り続けます。
手動でバルブを開けていても、薬剤が注入されてしまいます。その他では、冷却水系内で水漏れがある場合も、同じく給水されますので、薬剤が入ます。
流量比例方式では、こうした不具合を常に点検をする必要があります。気がつけば、薬剤タンクが空になっていることありますので、ご注意ください。
まとめ
流量比例方式による、水処理薬剤の注入方法は、冷却水中での薬剤濃度が安定しますので、薬剤の使用量を最小限に抑えることができます。
初期のイニシャルコストでは、流量計の購入が必要ですが、ランニングコストで考えるとすぐに元が取れます。
水処理薬剤のコスト削減をお考えでしたら、流量比例方式をご検討さえることをおススメいたします。
YouTubeでも、水処理薬品の使用量削減について解説しています。