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チェーン・Vベルト駆動部安全カバー製作方法

こんにちは、「技術と安心のサプライヤー」セールスエンジの杉山です。

コンベヤやブロワーなどモータを使った機器で、駆動部安全カバーの製作の注意点をまとめてみました。最近どのお客様も安全対策が厳しくなってますので、ローラチェーン・Vベルト・歯車等の安全カバーを製作される際に、ご参考としてお読みください。

機械の駆動部安全カバーについての法的な規則
機械の駆動部分で使用する、ローラチェーン・Vベルト・歯車等の挟まれ・巻き込まれを防ぐ安全カバーのは、労働安全衛生規則第二編 安全基準 第一章 機械による危険の防止(第百一条)により労働者に危険を及ぼすおそれがある部分には設置が義務付けられています。

完全覆い型安全カバーの製作注意点
単に駆動部をカバーで覆ってしまうだけでは、メンテナンスなどを行う際に支障をきたします。また、どこからでも手が入る様な安全カバーでは安全性が保たれません。そこで、メンテナンス性と安全性を考慮した完全覆い型の安全カバーの製作方法をご説明します。
チェーン安全カバー

    1. 安全カバーの上下はボルトナットで固定するようにします。
    2. チェーン・Vベルト交換などのメンテナンス性を考慮し上下を2分割構造にします。
    3. チェーン・Vベルトの回転方向確認用として点検口を設けます。内側の開口部分には、エキスパンドメタルを貼ります。
    4. 日常点検や給油用として点検口を設けます。この部分は開閉頻度が多いので、簡単に開ける事が出来る様につばき製の小窓CMD-S1を使用し、内側の開口部分には、エキスパンドメタルを貼ります。
    5. スプロケット・プーリー・歯車の回転状態確認用として点検口を設けます。内側の開口部分には、エキスパンドメタルを貼ります。
    6. 巻き込まれの危険性を警告するステッカーを貼ります。
    7. 回転方向を示すステッカーを貼ります。
    8. 安全カバーの塗装色は、注意をうながす意味でマンセル2.5Y 8/12を多く使用されています。内部を見やすくする為には、エキスパンドメタルを黒塗にするとチェーンやベルトの運転状況が良く見えます。
チェーン安全カバー裏面
  1. 回転軸シャフト部も上下分割式としカバーで覆います。
  2. シャフト部のカバーと軸受等の間は指が入らない程度まで最小限の隙間にします。

チェーンなどの駆動部品と安全カバーとの隙間について
駆動チェーンの場合、下側にたるみが出てカバーと接触しますので、チェーンと安全カバーの間に隙間を開ける必要があります。隙間の目安として、スプロケットホイル間(芯〜芯)の長さ×4%=許容たるみ量がチェーンの適切な張りの調節量です。その許容たるみ量の約2倍程度の隙間を開けていれば、安全カバーとの接触を防ぐことができます。
※ただし、これ以上の伸びを放置された場合は、カバーに接触します。

例)スプロケット間(芯〜芯)800mmの場合、800mm×0.04=32mmとなりますので、32mm×2=64mm(約70mm)程度、安全カバーとの隙間を設けます。

完全覆い形安全カバーの設計は、指が入らない事が基本となります。わずかな隙間も残さず設計する事でより作業者の方の安全性が保たれます。ここに書いている事は、あくまで参考としてなので、お客様からの要求事項があればそれに従い製作される様にして下さい。