冷却水の水質管理について

冷却水の水質管理とは、どんなことでしょうか?
冷却塔や、その中にある冷却水で、スライム、スケール、腐食といったトラブルが起きないように、
ブロー制御や薬剤などを使用し、冷却水の水質を適切に管理することをいいます。
冷却塔に水質管理は必要ですか?
冷却塔メーカーは水質分析や水質管理を行うことを推奨しています。
何のトラブルも出ていない時点では、必要ないと思われるかもしれませんが、腐食やスケールの付着は見えないところで少しずつ進行していきます。
何もしなければ、いずれは腐食で配管に穴があく、スケールで配管が閉塞するといったトラブルにつながります。
どの程度の期間でそうなるかは水質や環境によって異なりますが、設備の延命や安定稼働のためには水質管理は必要です。
冷却水の水質管理について、詳しくはこちらをご覧ください。
冷却塔や冷却水がきれいな状態であれば、トラブルは起きませんか?
冷却塔や冷却水の汚れは水質のバロメーターのひとつ。汚れはトラブルにつながります。
ただ、汚れだけがトラブルの原因ではありません。水の中にはもともとスケールの原因になる成分が含まれ、
それが濃縮されてスケールが析出します。
水の成分は目に見えないので、水質分析を行って環境や水質に適した管理をすることが大切です。
どんな種類の冷却塔でも、水質管理は必要ですか?
丸型、角型、開放式、密閉式、小規模から大規模に関わらず、水を使用していればスケール、スライム、腐食などのトラブルはつきものです。
大切なのは、その冷却塔が重要な設備に関連しているかどうかです。
設備の安定稼働のためには冷却塔の種類や大小に関わらず、水質管理が必要です。
冷却水のトラブルを防ぐ水質管理について、詳しくはこちらをご覧ください。

冷却水の薬剤処理について

冷却水の薬剤管理をはじめるには、何が必要ですか?
まず、薬剤を冷却水に注入するための薬剤装置が必要です。
冷却塔の規模や使用状況によっては、水の電気伝統率(汚れ度)を測定し、自動で水を入れ替える自動ブロー装置も必要になってきます。
設置工事は半日から1日程度です。
付着してしまったスケールは、薬剤で取ることができますか?
冷却水系で熱交換器などに付着したスケールを、水処理薬剤で除去することはできません。
冷却塔の充填材に付着したスケールは薬剤の効果によって結びつきが弱くなり、徐々に取れてくることがあります。
固着したスケールを溶かすには、化学洗浄が必要となります。
水処理薬剤で配管などを傷めたりしませんか?
薬剤は規定の濃度を維持した状態であれば、鉄、銅、ステンレス、塩ビなどの配管の素材が傷むことはありません。
防食剤が配合されている薬剤は、腐食を防ぎます。ただし、規定の量を超えた注入は、腐食を引き起こすことがあります。
薬剤を切らしたため、2週間ほど注入していません。設備に影響がないか不安です。
まずは、薬剤の初期投入を行い、規定の濃度に戻してください。
冷却水の薬剤濃度は徐々に低下するので、急に障害が起きることはありません。
ただし、薬剤濃度が不足した状態が続くと、スケールや腐食は緩やかに進行します。薬剤は切らさず、濃度を維持するのが原則。
薬注ポンプ、タンク残量などの定期点検をおすすめします。
薬剤を入れる量は、自分たちで調整する必要がありますか?
薬剤は、入れすぎると腐食を引き起こし、少なすぎると効果がありません。
水質に合わせた最低限の注入量を判断する必要がありますので、調整は弊社におまかせください。
冷却水処理薬剤のご相談については、こちらまで
水処理薬剤の使用量を減らしたいのですが。
水質と薬剤の成分が合っていない(オールインワンタイプの薬剤で必要ない効能が入っているなど)、ブロー量が多すぎる、
長年同じ薬剤を使用している。このような場合は、薬剤の種類や注入方法を見直すことで、使用量を削減できることがあります。
詳しくは、お問い合わせください。
薬剤を入れているのに、スケールが付くのはなぜですか?
水質に合った薬剤を使用し、適切な濃度が維持できていれば、スケールが付くことはありません。
薬剤を使用しているのにスケールが付く場合は、薬剤の使用量が少ない、またはブロー過多などの理由で、
薬剤濃度が低くなり効果が十分にでていないことが考えられます。
薬剤を入れているのに、藻がはえてきました!
水質に適した薬剤を使用していても、気候や日照条件が良いと薬剤の効果を上回って、藻が繁殖する場合があります。
その場合は、薬剤の濃度を調整するか、殺菌殺藻剤を使用します。
薬剤を入れているのにスライム(藻・カビ)が発生しています。
スライムコントロール剤を使用しているのにスライムが発生したのは、薬剤の濃度が低かったか、
使用中の薬剤が効かないタイプの藻やカビが繁殖したからです。
藻やカビは、種類が多いため、スライムの種類に合った薬剤を選択し、注入方法、濃度を決定する必要があります。
夏場に薬剤の使用量が増えるのですが、どうしてですか?
夏場は気温が高くなるため、水の蒸発量が増え、冷却水が濃縮しやすくなります。
そのため冬場よりも冷却水の補給や入れ替えの量が増えるので、薬剤の注入量も増加します。
薬剤を使用している場合、冷却塔の清掃は不要ですか?
薬剤を適切に注入していたら、スケールやスライム(藻・カビ)は発生しません。
しかし、冷却塔の構造上、泥や塵といった汚れは溜まりますので、年に一度程度の清掃は必要です。
冷却塔(クーリングタワー)清掃について、詳しくはこちらをご覧ください。

水質分析について

冷却水の水質分析を行うと、何がわかりますか?
冷却水に適した水かどうか、スケールや腐食といったトラブルが起こりやすい水質かどうかが把握できます。
薬剤を使用している場合は、薬剤の効果が出ているか確認できます。
他社メーカーの薬剤を使っていますが、水質の調査をお願いできますか?
はい、メーカーや薬剤の使用の有無を問わず、水質調査をお受けします。
現状の水質と合わせて、薬剤の効果が出ているかどうかの調査や、冷却塔の点検も行っています。お気軽にお問い合わせください。
水質の調査だけのお願いはできますか?
調査だけでもお受けします。現場を訪問し、冷却水の水を採水し、水質分析を行い、結果をご報告します。
もし改善が必要であれば、そのご提案もいたします。
薬剤処理を行っていますが、水質分析は定期的に行った方がいいですか?
水質分析は、冷却水の薬剤の濃度を確認するために毎月必要です。季節や天気によっても水質は変化をします。
分析結果から薬剤の注入量を調整し、濃度を一定に維持します。また、トラブルの予兆がないかどうかもチェックします。

冷却塔について

冷却塔には、なぜ藻がはえるのでしょうか?
冷却水のあたたかい水温、水に溶けた豊富な栄養源、日当たりの良い設置場所など、冷却塔は藻が繁殖しやすい環境といえます。
冷却塔の中で大量の泡が出ています。これは何ですか?
水処理薬剤の過剰注入やバクテリアの繁殖などで、大量の泡が発生します。
原因によって対処が異なるので、まずは水質調査が必要です。詳しくはお問い合わせください。
冷却塔にレジオネラ属菌は存在しますか?
レジオネラ属菌は、土、河川の水、井戸水など、自然のなかで広く分布しています。
冷却水は、レジオネラ属菌の発育に適した温度と、溶存酸素の影響で、繁殖する危険性が高くなります。
菌を吸いこむと発症し、時に死に至ることもあります。予防には、薬剤や定期的な清掃が有効です。
冷却塔が汚れています。どんな問題が考えられますか?
冷却塔の汚れはスライム(藻・カビ)やスケール(水垢)、泥や塵などが原因です。
この汚れは見た目や不衛生さだけの問題ではなく、詰まりで水が流れなくなり、熱交換率が低下し、
冷却水が冷えなくなるなどのトラブルにつながります。
また、レジオネラ属菌の温床になります。一年に一回の清掃は、必ず行ってください。
冷却塔から出てくる白煙が何か気になります。
冷却塔内で水が気化する時にでる水蒸気です。これは冷却塔稼働中は、常に出ているものです。
寒い日に吐く息が白くなるように、気温や湿度によって白く見えます。
交通の障害や、火事、大気汚染などの誤解を受けないために、白煙を防ぐ冷却塔もあります。
冷却塔の開放式と密閉式では、何が違うの?
冷却水を冷やす仕組みが違います。
開放式は冷却水を外気と接触させて気化熱で冷やします。密閉式は冷却水が流れる銅の配管を水(散布水)をかけて冷やします。
特徴として、密閉式は冷却水が汚れたり、濃縮しないので、熱交換器にスケールが付着するリスクがありません。
それぞれメリット、デメリットがあるので、メーカーのサイトを参考にしてください。
冷却塔の水面にあるボールのようなものは何ですか?
ボールタップです。冷却塔の給水を制御する装置です。蒸発などで水量が少なくなると、自動的に給水します。
まれに壊れる場合があるので、点検が必要です。
冷却塔のモーターが焼けました!
スケールやスライムで充填材が目詰まりしていると、空気が流れずに、ファンに負荷がかかり、
モーターが焼けることがあります。ご注意ください。

冷却水について

冷却水は入れ替えが必要?
冷却水の入れ替えは必要です。冷却水を入れ替えずに使い続けると、濃縮し、スケールなどのトラブルが起きます。
冷却水は、常に循環水量の0.5%を排水し、新しい水を入れ替えます。薬剤を使用している場合でも、
冷却水の濃縮には上限があるので同じことがいえます。
密閉式冷却塔の循環水は、入れ替えが必要?
密閉式の場合は循環水が外気に触れないため、水質は安定していますが、水の入れ替えは必要です。
冷却塔のメーカーは、適切な水質を維持したうえで、一年に一回程度の入れ替えを推奨しています。
冷却水のブロー水(排水)は、再利用できますか?
ブロー水をそのまま再利用することはおすすめしません。
冷却水は濃縮されており、カルシウムイオンやイオン状シリカなどの不純物の濃度が高くなっています。
再利用するとスケール障害などのリスクが高まります。
薬剤を使用している場合でも、殺菌成分は持続しないので雑菌などの繁殖のおそれがあります。
冷却水は、河川にそのまま流してもいいのですか?
原則として水処理薬剤を含むブロー水は、排水に関連する法律、条例、規則を遵守し、放流を行ってください。
(参考)排水に関連する法律/水質汚濁防止法、湖沼水質保全特別措置法、瀬戸内海環境保全特別措置法、下水道法、
特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律

冷却塔の清掃について

冷却塔の清掃の時間は、どのくらいかかりますか?
丸型冷却塔は半日から一日、角型冷却塔は1〜2セルであれば一日で完了します。複数台の場合は、ご相談ください。
冷却塔(クーリングタワー)清掃について、詳しくはこちらをご覧ください。
冷却塔の清掃は、どの程度の頻度で行った方がいいですか?
冷却塔メーカーは月一回以上の清掃を推奨しています。
弊社では、薬剤を使用している場合は、年に一回の清掃に、泥や塵などの汚れの度合いによって
簡易的なセルフ清掃をおすすめしています。
清掃中は冷却塔を停止する必要がありますか?
冷却塔のファンが回転していると、巻き込みなどの事故の危険があります。
また、運転したまま清掃を行うと、ゴミや汚れが冷却水系に流れ、配管などが詰まるおそれがあります。
清掃は必ず運転を停止して行います。
自分で清掃を行っても大丈夫ですか?
汚れがひどい場合は、業者に依頼をした方が良いと思います。
その際は、充填材も清掃してくれる業者をお選びください。
日頃のメンテナンスの一環としいて、簡易的なセルフ清掃をおすすめしています。
清掃をする時に、気をつけておくことはありますか?
事前にエアー抜きできる場所を確認しておいてください。清掃後、まれにエアー噛みを起こし、水が循環しなくなることがあります。
その場合は、エアー抜きを行ってください。また、清掃後1、2週間経って、清掃時に取りきれなかった充填材の汚れが剥がれ落ち、
ストレーナーが詰まることがあります。その場合は、ストレーナーの清掃を行ってください。
清掃をお願いする場合は、料金はいくらですか?
冷却塔の規模と充填材の汚れ度合いによって異なります。
冷却塔(クーリングタワー)清掃について、詳しくはこちらをご覧ください。
冷却塔の清掃をしたら、水が流れなくなりました。
冷却水の中でエアーが噛んでいる可能性があります。ポンプや熱交換器、配管などのエアー抜きを行ってください。
また、清掃時に出た汚れやゴミが詰まっている可能性があります。ストレーナーを掃除してください。

その他

セールスエンジは、どんな機械に強いですか?
冷却塔の販売については、かなりの実績があります。
また、粉体輸送の機械で、チェーン式コンベア、サークルフィーダ(粉体定量供給機)なども得意分野です。
その他、幅広い実績がありますので、まずはご相談ください。
セールスエンジって名前は、どういう意味ですか?
技術営業(=セールスエンジニア)が由来です。機械商社として販売だけでなく、
技術の提供も行っていますので、そこから社名にしました。
社長って、どんな人?
気になりますよね。その点については、しっかりご説明していますので、詳しくはこちらをご覧ください。
また、ブログも頻繁に更新していますので、ご覧ください。