冷却塔(クーリングタワー)の電解処理装置が効かない理由
こんにちは、「技術と安心のサプライヤー」セールスエンジの杉山です。
うちの会社へ「冷却水スケール防止電解処理装置」の飛び込み営業の方が見えました。
冷却塔(クーリングタワー)の水質を改善する装置でしたので、
興味があり話しを聞く事にしたんです。
若い営業の方が、熱心に説明を
冷却水を殺菌処理する装置で、銅イオンと銀イオンの効果で、
スケール防止剤、レジオネラ除菌剤などの水処理剤が不要になるらしく。
ふむふむ。
「薬剤のコストが0円になります」
「水の使用量が約30〜40%削減でき、電気代が約5〜15%削減できます」
「時間とともに効果が薄れる薬剤と違って、銀・銅イオンの連続殺菌で効果が持続します」
ふーん。
「お客様の冷却水管理にかかる費用が、削減できます!」
おおおー素晴らしい。いいことばかりじゃないか!
で、お値段はいくらするの?
「1台、○百万です」
た、高っ!!! そんなにするの ( ゚Д゚)
小さなクーリングタワーでもそげんすっと?
クーリングタワーよりも高いじゃん?!
しかも、その電解処理装置と別に、制御盤も必要なんじゃないの?
「制御盤は別途費用になります」
それと、現状の水質はどうやって調べるの?
導入後の、定期的な水質管理は誰がやるの?
「水質の分析についは、専門の業者さんと年間契約になります。それは、お客様の方で行ってください」
この、冷却水電解処理装置は、どのくらいの効果があるの?
テスト使用できるの?
「デモ機がないので、設置していただかないと効果をお見せする事はできないんです」
「が、今まで導入させていただいたお客様は皆様ご満足いただいています」
「ランニングコストは、定期的に部品の交換が必要で、年間数十万掛かります」
こう言う装置は、使い方しだいで効果があるようですが、
それは、あくまで、使い方しだいです。
今回のメーカーさんも、結局は、装置を売りっぱなしで、水の管理はしてくれません。
装置がちゃんと稼働しているかは、常に水質を分析して見なければわからないんですね。
”脱・薬剤”を掲げた冷却水電解処理装置は、色んなメーカーさんが販売されています。
「できれば薬剤は使いたくない」それがお客さんの本音です。
しかし、水処理薬剤が無くならないのは、初期投資やランニングコストを考えると、
薬剤の方がずっとローコストで効率が良いからです。
実は、私の周りではこう言った装置がうまく行った話しを聞いた事がありません。
導入しても、結局は、薬剤に戻ってしまいます。
私自身が実際に携わった訳ではないので、装置が原因なのか水質管理が原因なのかはわかりませんが・・・
冷却水の管理は、電気伝導率や溶解イオン濃度などを測定し水質状態を把握する事が一番重要です。
装置にしても、薬剤にしても、ただ装置をつけて終わりでは、水質はよくなりません。
水の状態は夏と冬でもかなり違いますし、設備の運転状況によっても水の蒸発量が変わります。水は、その時その時に応じて水質管理を行う必要性があるんです。
水質管理は、とても手間掛かると言われるのですが、
水処理薬剤を使用する場合、納入業者が水質管理を行うのが一般的で、お客様自身で管理を行うことはありません。
ノンケミカルで行きたいところですが、結局、クーリングタワーの冷却水管理は、
何か装置をつけるだけで、すべて解決する問題ではないんですよね。
それだけ、水の管理は複雑で手間がかかると言うことをご理解いただきたいです。
YouTubeでも、冷却塔に取付けるだけで水質が改善できる装置について、効果がない理由を解説しています。