冷却水処理薬剤を使ってもスケールが付くの?
工場のお客さんから『スケールが付着するので水質分析をして欲しい』との依頼がありました。
工場設備・プラント機器商社(業界の便利屋)セールスエンジの杉山です。
そのお客さんには、他の水処理メーカーさんが薬剤を納入されていました。
なのになぜ、うちに水質分析の依頼が来るんだろう(。´・ω・)ん?
早速訪問しお話を伺うと。
冷却水配管のストレーナーが頻繁にスケールで詰まり困られていました。
冷却塔(クーリングタワー)を見てみると…( ̄△ ̄;)エッ・・?
充填材(水を冷却する重要な部分)はスケールがガチガチに固着し、
冷却塔の内部はスライムでドロドロ状態
こんな水質じゃ配管やストレーナにスケールが付着して詰まるはずですばい。
私『他社さんが冷却水処理の薬剤を投入されてるんじゃないんですか?』
お客さん『入れてますけど菌を殺す薬剤だと聞いています。スケール防止の薬剤を入れると配管が錆びると言われたので』
私『スケール防止剤を入れたからと言って、鉄の配管や設備が錆びるなんて事は無かですよ』
驚きました。レジオネラ菌の除菌剤しか入れられていませんでした。
冷却水には4大障害があります。
- スケールの付着
- 配管やプラント機器の腐食
- スライム(藻・バクテリア・カビ)の発生
- レジオネラ属菌の増殖
スケール防止剤だけを投入すれば、配管は錆びてしまします。
それは、スケール防止剤には防蝕効果が無いからです。
この様な設備の場合除菌剤+スケール防止剤+防蝕剤が入った
複合薬剤を入れますので配管が錆びるなんて事はありません。
このお客さんには大きな冷却塔が3基設置してあり、
それぞれに冷却水管理装置が取付けてありました。
電気伝導率を見ると不純物の濃度が高く、腐食とスケールが進行しやすい水の状態でした。
薬剤の選定も問題でしたが、冷却水管理装置の設定もほったらかしの状態です。
まさに、薬剤を売りっ放しの状態。
薬剤を納入する際には、水質検査を毎月必ず行います。
水の状態は見た目では判りません。
季節や設備の熱負荷の変化で水質が常に変わります。
分析した数値を見て、薬剤の投入量や冷却水管理装置の設定を変えて管理します。
冷却水に薬剤を入れているけど、スケールやスライムなどの問題が発生しいている場合は、
薬剤納入業者の管理があまりよろしくない可能性があります。
良い水質を保つには、納入業者が行うこまめな管理が重要です。