売り手の価格競争は、お客さんを困らせる!
3ヶ月程前に、とある物件を競合他社さんに奪われ失注しました。
過去の実績などをもとに機械機種の選定を行い、お客さんへ仕様確認を何度も行いながら、半年かけ機種決定しようやく購入という段階で、普段あまり聞いた事も無い他社さんに引き合いが流れ「かなり安かった」という理由だけで失注しました。
お客さんには、そこから購入せざる得ない社内の事情があるので、それ以上の事は一切聞いてません。色々聞いても、価格を覆つ何て事はやるつもりもありませんので…とは言っても、なぜ負けたのかは気にはなります。どうして価格が大幅に違っているのか、何か仕様が違っていたのではないかなどと色々考えてました。
それから3ヶ月が経ち、他社さんの機械が納入されてきましたら、なんとなんと当社が進めていた能力の1/10しかない機械が納入されてきました。
「あ〜、そりゃ〜安かはずたいね。ようやく理由がわかった!」
過去の経験からして、その程度の機械の力では全然、能力不足です。お客さんの事を全く知らない商社さん&メーカーさんが、価格だけで注文を奪い取った結果です。
なぜその様な事になったのかと言うと、ただ単にお客さんとのコミュニケーション不足で、機械の仕様をしっかりと膝を突き合わせてヒアリングが出来ていない事が原因です。相手の商社さんも商品知識が乏しいのか、「機械の能力も金額も間違いありませんメーカーがそう言ってますって」お客さんにそう言い切られては、買いたくなくても価格と仕様が満足していると判断せざる得ません。
ところが、蓋を開けてみたら、全く使い物にならない物を売りつけただけと言う結果でした。価格を下げて、無理やり他社が進めていた物件を奪い去り、価格競争を仕掛けた結果、お客さんに多大な迷惑を掛け、そんなやり方が上手く行くはずありません。価格は、安いに越した事はありませんが、かと言って機械が必要な能力を満たさないのは、問題外です。
これから、どうするんだろう。
プラントに組み込まれる機械なので、それがうまく動作しないと、全部のプラントが停止し操業出来ません。その間、何も生産できずに、生産ロスが発生します。販売元が困るのは当然ですが、お客さんの方がもっともっと困ります。
同業者なので、これだけ世の中の景気が冷え込んだ状態で注文が欲しいのは、よく分かります。しかし、私達が価格で物件を奪い合う事で、お客さんに迷惑を掛ける事だけは辞めて頂きたいです。私は、ライバルとは堂々と営業力で勝負したいと常に思っているのですが、相手さんには中々理解して頂けないようです。価格競争は、結局サービスの低下に繋がり、売り手も買い手も双方が損をするという事を、早く気づいて欲しいと思います。