ロータリーバルブの耐摩耗対策で長寿命化
ロータリーバルブは、プラントにおいて空気輸送ラインへの粉粒体供給やエアシール、タンク・ホッパー・集塵機からの排出・定量供給で多く使用されています。当社では、ロータリーバルブの耐摩耗処理をバラシから溶射施工、組立調整まで行っています。摩耗でお困りでしたら是非お声かけください。
ロータリーバルブ摩耗の問題点
ロータリーバルブは、複数枚の羽根が付いたローターをケーシング内で回転させ上部でローター羽根間のポケットに入った粉粒体を下部へ連続排出する機器です。ケーシング内面とローター羽根外周部は、コンマ数ミリのクリアランスしか無くその間に入り込んだ粉粒体が、磨耗を引き起こします。とくに硬い粒子や付着性が強い粉粒体は、耐摩耗対策が必要となります。
ロータリーバルブの摩耗による問題点
- ケーシングとローター間の摩耗によるエアシールの低下
- 摩耗した金属粉片のコンタミ混入
- 流動性(フラッシュ性)による定量供給不良
ロータリーバルブの耐摩耗処理
ロータリーバルブの耐摩耗対策は、ケーシング内面および側面、ローター羽根外周部、ローターシャフトグランドパッキンシール部の接粉部に硬化処理を行います。
耐摩耗溶射処理の内容
- ケーシング内径、側板:WC/Co12%(溶射硬度HV1400) 0.2mm厚 仕上げ無し
- ローター羽根外周部:WC/NiCr(溶射硬度HRC64) 0.8mm厚 研磨仕上げ
- ローターシャフトグランドパッキンシール部:WC/Co12% 0.3mm厚 研磨仕上げ
ロータリーバルブの溶射仕様説明
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- ケーシング内径,サイドカバー、シャフトグランド部 超高速溶射HVOFによる(マッハ、8〜9のスピードで母材に吹き付ける)最新の溶射法で低温溶射(母材にかかる温度250度C以下)でありながら密着力が高く、皮膜のポーラス(気孔)が1%以下で耐摩耗性の硬度HV1400nの材料を基材にコーティングします。特殊技術でケーシング内面部に0.2mmの皮膜を殆ど均一の厚みに溶射施工するため研磨の必要がありません。シャフトのグランド部は▽▽▽の研磨仕上げとし、グランド部の溶射厚み0.3mmはグランドの締付け等の面圧に対処しております。
- ローター羽根外周部 ローター羽根とケーシングのクリアランスは、一般的な仕様で0.2mm±0.05mmのため、耐摩耗性を追求すると羽根部材質(SUS材)、羽根厚み約6mm程度と薄いため、通常のアーク溶接、TiG溶接の硬化肉盛り溶接では母材への溶け込みがある為、母材の歪みが発生、また溶接硬度も落ちるため耐久性に問題がある。ユータロイ法の溶射技術では母材への希釈がなく、歪み、割れ等が極端に軽減でき、約1050度Cで母材表面に表面合金層(拡散現象)を形成するため、剥離の危険性が少なく、硬度はHRC64と非常に高い硬度が得られ、研磨仕上げのため平滑な面が得られます。
コスト
耐摩耗処理を施していないロータリーバルブをご購入後、耐摩耗処理だけのご依頼もお引き受けいたします。メーカーさんで耐摩耗処理まで行うと高いのでと言ったご依頼も良く頂いております。
納期
バラシ〜溶射施工〜組立調整までで、約1ヶ月程頂いております。
その他の耐摩耗処理対応機器
- 回転軸の磨耗部
- 渦巻ポンプのケーシング
- スクリューコンベヤの羽根
- ホッパー・シュート
- 配管・ダクト
- 攪拌機羽根
- コンベヤローラー
- テーブルフィーダー
- サークルフィーダ