ポンプの選定に必要な仕様
送液ポンプには様々な種類があります。渦巻ポンプ・水中ポンプ・耐蝕マグネットポンプ・ダイヤフラムポンプ・チューブポンプなどなど。
使用される目的や用途に応じた最適なポンプの選定をしなければなりません。条件が間違っていれば購入しても能力を満たさなかったり、取り扱われる液を送れないなどのトラブルにつながります。
そうならない為に、私が送液ポンプの選定を行う際には下記の仕様事項を確認させて頂き、お客様に最適なポンプのご提案を行っています。
ポンプの用途
- 目的は何にご使用されますか?
液体の循環、薬液などの適量添加、食品の充填など
取扱液
- 送りたい液体は何ですか?
液体名・温度(℃)・比重・濃度(%)・ピーエイチ(PH)・粘度・スラリー濃度(%)・固形物の有無
水を送るのと腐食する薬液を送るのとでは、ポンプの材質や機種が異なります。スラリー混じりの液体などはポンプの摩耗につながりますので液体の状態を把握する事が重要です。
ポンプの揚程
- 液体を送る配管の距離(揚程)はどれくらいありますか?
揚程とはポンプが水を汲み上げられる高さの事を言います。
全揚程(m)=(A:吸込揚程+B:吐出揚程)
A 吸込揚程(m):吸込実揚程+吸込管の損失水頭
B 吐出揚程(m):吐出実揚程+吐出管の損失水頭
それにより自給式か非自給式かの判断につながります。
ポンプの吐出量
- ポンプが吐出する量はどれくらい必要ですか?
1分間に何リットル(ℓ/min)または1分間に何立方メートル(㎥/min)
電源
- ご使用される電源は何ボルトで周波数は何ヘルツですか?
設置場所
- ポンプを設置される場所は、屋外ですか屋内ですか?
火気厳禁エリア内、腐食性ガス雰囲気、海岸近くなど、設置場所によりモータの種類が変わります。
運転条件
- 連続運転ですか、間欠運転ですか?
- 運転時間、運転間隔は?
- 一日のトータル運転時間は?
ご希望納期
- いつまでに納入が必要ですか?
すぐに必要とされているのか、受注生産で納期が掛かってもいいのか、それにより機種選定が異なります。
失敗談
半導体工場のお客様に排ガス処置装置の苛性ソーダ循環用として、テフロン製の耐蝕マグネットポンプを納入させて頂きました。
半年ほど経った時、お客様より連絡が入り「ポンプから液が送られてこないよ」
( ゚ Д ゚!)大慌てで駆けつけると、ポンプから液が吐出されていませんでした。その場でポンプをバラして中を確認すると、苛性ソーダにテフロン樹脂が侵されておりポンプの羽根がロックして回らない状態でした。
原因は使用液に対する材質の選定ミスです。使用条件のヒアリングをしっかりと行っていればトラブルは回避できていました。ポンプの選定ミスが半導体工場の生産プロセスを停止させる事態に冷汗が止まりませんでした。材質を変えた部品を交換し、すぐに復旧させた事で、その後は継続的に数十台のマグネットポンプをご購入頂きました。
ポンプは用途に応じ機種が多くあります。どんなポンプをお探しですか?
お客様に合った『世界に一台』の最適なポンプをご提案いたします(^^ゞ