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冷却塔トラブル改善プロ

井戸水や地下水を冷却水に利用する問題点

こんにちは、「冷却塔トラブル改善プロ」の杉山です。

井戸水または地下水を、冷却塔(クーリングタワー)の冷却水に使用した場合のトラブルについてお話します。

井戸水のメリットとは

まず、井戸水や地下水を使用するメリットは、なんと言っても『水のコストが安い』ことです。水をくみ上げるのに使う、ポンプの電気代くらいしか掛かりません。

工場で使用する冷却水は、一日に何百トンと使用されることもありますので、水のコストは馬鹿にできません。

すこし話がそれますが、原子力発電所などは、ほとんどが海岸に立地しています。これは、原子炉を冷却するのに大量の冷却水が必要だからです。海水で原子炉を冷やし、再度、海へと戻しています。海水を利用することで、水のコストを抑えています。これを、普通の水道水で冷やしていたら、とんでもないコストが掛かります。

工場でも、水道代を下げるために井戸水や地下水を、利用されることがあります。

水が豊富にある地域では、水が使い放題なので、大量に水を使用する設備ではコストメリットがあります。

井戸水のデメリットとは

地下の地層から湧き出ているのが、井戸水や地下水です。そのため、不純物(ミネラル成分=カルシウム・マグネシウム・シリカなど)を多く含んでいます。不純物が多い水を、冷却水として使用すると、スケールや腐食の原因になります。

地域によって、水道水や工業用水も不純物が多い水質もありますが、井戸水や地下水の不純物量は、比べものになりません。

地下水は、水がおいしい。と言われますが、それは、ミネラルを豊富に含んでいるからです。ですが、工場の設備や機械で冷却水として使用する水としては、まずい水です。

新しく建てた工場が稼働から、1カ月ほどでスケールが付いて稼働できないなんて事もあります。

慌てて、水質を改善しようとしても、井戸水や地下水に含まれるミネラル成分を取り除くのに、かなりのコストが掛かります。

また、水源が少ないと井戸水が枯れることもありますので、新たに井戸を掘る必要がでてきます。

井戸水と地下水のまとめ

井戸水や地下水は、水のコストは安いメリットがありますが、水質が悪いのがデメリットです。

水を多く使う工場などを新たに建設する際には、水質の調査をお勧めします。後々、水の処理にコストが掛かり過ぎて儲からない。なんて事にも成りかねませんので、水質の判断にはご注意ください。

Youtubeでも、冷却水で使用する水の種類について、解説しています。