ごあいさつ
セールスエンジ代表の杉山哲也です。
私どものWEBサイトを
ご覧いただきありがとうございます。
当社のこれまでの歩みと、
事業への思いについて書かせて頂きました。
長い文章になりますが少々お付き合いください。
1章 駆けだしの疑問と気づき
当社は、工場の生産設備を専門に取り扱う機械商社として
2008年3月に熊本県荒尾市で会社を設立いたしました。
この地域はかつて石炭産業で栄えた企業城下町でしたが、
現在は化学工業地帯になっており、
多くの工場や化学プラントが立地されています。
私は工業高校を卒業後、地元の機械工具商社に勤め、
その後、大手機械メーカー系列の販売会社で約10年、機械の営業をしていました。
荒尾・大牟田地域で製造業のお客様との関りは
30年近くになります。
駆け出し営業の頃は、機械を売るのにメーカーさんに頼りっきりでした、
一緒に営業へ行っても商品の説明などはすべておまかせ、
私はただ横に座って最後に見積もりを差し出し、右から左へと販売するだけの日々。
時はバブルがはじけ不況のどん底でした。
コスト削減のため商社の中間マージンをはぶく、
商社不要論がささやかれていたので
「お客様にとって自分は本当に必要なんだろうか?」
と悩んでいました。
そんなある日、担当を引き継いで間もないお客様からコンベアのクレームが入りました。
理由も分からず飛んで行くと、すごい剣幕で怒られました。
聞けば、納入してからトラブル続きの状態だったらしいのです。
上司に相談しましたが
「機械の営業は売った後は一切振り向くな」と言われ、
売りっぱなしでアフターフォローもしない商社としての在り方に納得がいきませんでした。
それに、このままではこれから先いくら営業しても
機械を買ってもらえる訳がありません。
まずは目の前の問題を解決しなければ。
そこで、コンベアのトラブル対応に自ら取り組みはじめました。
現場で油まみれになりながら、何度も改善方法を考え修理を繰り返しました。
そして、ようやく正常に運転できるようになった時、
お客様から「逃げずに最後まで対応してくれてありがとう」といわれました。
その時初めてお客様に認められた気がしました。
この先、自分が関わった製品とは一生付き合っていこう。
機械を納入していればトラブルはきっと起きる。
でもお客さんとちゃんと向き合って行こう、そう思いました。
この一件のおかげで私にはもうひとつの気づきがありました。
今回のトラブルは納入したコンベアが使用する目的に
合ってない事が原因でした。
アフターフォローも大切ですが、
トラブルを起こさない事はもっと大切です。
なぜこのようなトラブルが起こってしまったのか、
一言で言ってしまえば、商社に知識がなかった。
これに尽きます。
本来ならば、商社がお客様の代わりとなって設備の運用状況や要望をメーカーさんに伝え協力して仕様選定を行います。
お客様にはメーカーさんからの仕様をわりやすく伝えて確認をする、
それがお客様とメーカーさんの橋渡しをする商社の役割です。
前任の担当者は全てをメーカーさん任せにして、
結果トラブルになってしまいました。
自分も今のままメーカーさんの横に座って見積書を出すだけの営業を続けていれば、
いずれ同じ事をしてお客様に迷惑をかけるかもしれません。
お客様と、メーカーさんと、ちゃんと話が出来るようになりたい。
ただ言われたものを持ってくるだけの御用聞き営業では
機械商社として存在価値がなくなってしまう。
そう強く思いました。
それからです、私が提案営業から技術サポートまで行える
技術営業、
「セールスエンジニア」を目指すようになったのは。
これは私の原点であり、
社名もそうした思いが由来となっています。
2章 独立と想い
それから10年後、勤務していた荒尾・大牟田地域の営業所が閉鎖する事になりました。
かねてから会社の商社としての在り方に疑問を持っていた私は、自分の力を試したいという思いもあり、
これを機に独立を決意し、
株式会社セールスエンジを設立しました。
この頃、同業の間では事業所の縮小や撤退が相次いでいました。私はそれを逆にチャンスだと考えていました。
しかし、いざ独立してみると、
ものを売る事はそう簡単なことではありませんでした。
今まで「お客様は私から機械を買って下さっている」
そう思っていました。
ですが、それは会社という安定した地盤があったからこそ
お客さまも安心して買えたのです。
お客様は営業マンの私を信用して下さっていますが、
セールスエンジという設立したばかりの会社の信用はゼロです。
実績も資金もない小さな会社に
そうやすやすと何千万もの機械の注文は出せません。
それどころか見積りを出すチャンスさえ回ってこないのです。
そんな中、機械部品などを販売して少しずつ実績が上がってきた矢先に、
100年に一度と呼ばれた大不況リーマンショックの嵐が訪れました。
製造業は仕事が激減し、
予定されていた設備投資もなくなりました。
お客様のニーズは価格へと傾き、
より安いものを求められるようになりました。
焦って営業に回っても、競合他社との価格競争に巻き込まれるだけで注文はもらえません。
いったいどうすればいいんだろう。
窮地に追い込まれ藁をもつかむ思いで、
ある販売戦略のセミナーに参加しました。
そこで、「お客様は商品やサービスに対する付加価値を買っている」という事を教わります。
お客様の声に耳を傾け、独自のサービスを提供し、
他社との差別化をはかる。お客様に選ばれる存在になる。
私はこのセミナーを受け、ものを売る考え方が変わりました。
そして、まずはできることから、と思い、
はじめたのがお客様の話を聞く事でした。
こちらから訪ねて行っても仕事中で中々話ができません。
そこで工場の打ち合わせスペースの横に立って、
そこを通るお客様と話をしました。
最初は他愛もない世間話ばかりでしたが、
ある時、機械のちょっとしたトラブルの話をされました。
「それはこうすると改善できますよ」とお答えすると、
「じゃあ、一度見積りをお願いします」と言われました。
目から鱗でした。こういう事が仕事につながるのか。
それから毎日のようにその場に立ち、
設備や機械の話を聞いては改善のアドバイスをしました。
そうしていくうちに次第にお客様から相談を受け、
現場を見に来てほしいとお声がかかるようになったのです。
そして独自のサービスとして実践したのが
「超スピード対応」でした。
この業界では何につけても時間がかかる、
お客様をお待たせするのは当たり前でした。
そこで、今まで培ってきた機械や部品の知識を活かし、
見積りや問合せに即座に回答するようにしました。
連絡から数分で見積りがきたと驚かれた事もあります。
トラブルが起きれば何はさておき飛んで行きました。
生産ラインがストップしてしまうような機械部品の破損は一刻を争います。
メーカーさんにお願いすると納期が1ケ月かかる何て事はよくある話です。
そういう時は、現場で採寸して図面を起こし部品を短納期で納めました。
こうした取り組みがお客様に受け入れられて、
困った時のセールスエンジと言っていただけるようになり
注文も増えていったのです。
3章 これからと新しい取り組み
2012年にはお客様の声を元に商品開発にも
取り組みました。
「点検口の安全金網Kガード」は
既存のワンタッチ式点検窓に簡単に取り付けられる
安全対策用の金網です。
2015年に特許を取得し、
現在はホームページで全国にむけて販売を行っています。
溶接が不要なので火気厳禁の製鉄所やごみ処理施設で
多くご採用いただいています。
水処理事業については、私が初めて関わったのは
2008年、独立して3か月の頃でした。
化学工場の新設のプラントに冷却塔を納入する際、
お客様から「冷却水の薬剤も一緒に入れてほしい」と
言われました。
何のための薬剤か聞いてみると、
スケール(水垢)が原因で炉の冷却ジャケットが
破損して水漏れを起こすので、
新しい設備にはスケールを防止するため薬剤を入れる
ということでした。
今まで工業炉や熱交換器向けの冷却塔を何台も納めてきて、
「水は難しい」と聞いた事はありましたが、
冷却水でこんな大きなトラブルが起きているとは思ってもいませんでした。
炉が停止して生産がストップする、
そのうえ補修費や対策費に高額なコストがかかる。
お客様にとっては本当に頭の痛い話です。
とはいえ、いざ薬剤を入れるといっても私もお客様も
薬剤について何も知りません。
全て薬剤メーカーさんにお任せして初めての水処理がスタートしました。
最初は月に1回来るメーカーさんの後についてまわってただ見ているだけで、
何をしているのかもよくわかりませんでした。
私の作業は送られてきた薬剤を運ぶことぐらいです。
でもそのうち不安になりました。
もし失敗したら大トラブルになるのに
自分は何もわかっていないし、何の対処もできない。
それから毎日のように現場に足を運び、
水について猛勉強しました。
そんな中で安定した水処理を行うためには、
薬剤による水質管理はもちろんですが、
冷却塔や周辺機器のメンテナンスが
いかに大切かを実感しました。
どんなに水質が良くても
冷却塔が故障で止まってしまっては元も子もありません。
その後、水だけを診るのではなくプラント全体を診る、
機械商社であるセールスエンジならではの水処理が
お客様に受け入れられ、
工場内の色々な重要設備の水処理を任せていただくようになりました。
水処理をしなければ1年でトラブルが起きると言われていた最初の設備は、
2008年のスタートから現在まで何事もなく安定して稼働しています。
そして2013年、本格的に水処理事業を開始し、
現在は冷却水・ボイラ水・排水など様々な水処理に携わり、
企業様の設備の安定稼働の一端を担うべく尽力しています。
私たちはお客様の大切な設備をお任せいただける事に心から感謝しております。
機械、メンテナンス、水処理、どんな些細なことでもご相談下さい。
これからも経営理念である
「セールスエンジニアとしてお客様の“困った”を解決する」を念頭に置き
社員一丸となって頑張ってまいります。
最後までお読みいただきありがとうございました。