株式会社セールスエンジ

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冷却塔トラブル改善プロ

Vol.26「ポンプの圧力が上昇」 配管詰まりをスケール洗浄で解消!

冷却水系統の圧力が上がっているトラブルについて、改善事例をご紹介いたします。

お客様からの相談内容

冷却塔(クーリングタワー)の循環ポンプの圧力計が設定した値より高く示しており、配管の詰まりを懸念され、配管を洗浄して欲しいとのご相談をいただきました。

現場の状況

通常、運転時は圧力計が0.3MPaを示しているとのことですが、確認の際、2倍の0.6MPaを示しており、圧力が上がっておりました。設備の冷却水が通る配管のホースが、パンパンに張っており、冷却水が流れずに詰まっていることが確認できました。

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トラブルの原因

元々この冷却塔(クーリングタワー)設備では、水処理薬剤を使用せず数年稼働しており、2年程前に弊社で水質管理の依頼を受け始めました。水処理薬剤を使用していなかった時期に付着していたスケール等が、薬剤の効果で剥がれ落ちて、配管に詰まったと考えられます。

トラブル改善のご提案

剥がれ落ちたスケール等が配管内に詰まっていることが原因と考えられるため、配管内のスケールを化学洗浄液で溶解することを、ご提案いたしました。

スケール洗浄開始

容器に洗浄液を投入し、仮設の循環ポンプで配管内に洗浄液を送り出し、戻ってくる洗浄液を容器で受けて冷却水配管内を循環させます。

シリカ系のスケールか、カルシウム系のスケールによって投入する洗浄液が違うため、循環されてくる廃液を見ながら判断し作業をすすめます。

洗浄液を循環中です。汚れの落ち方やシリカやカルシウムなどとの反応具合を見て、どのくらいの時間循環させるか決めます。あまり長く循環していると金属が腐食を起こすリスクがあるため、スケールが溶解し終わったら洗浄を終了します。

洗浄後の排水です。配管の汚れが洗浄され、水が濁っています。

排水は中和剤を投入し中和処理します。産業廃棄物のため、タンクへ移し産廃に出します。

洗浄後

洗浄後、設備を稼働させると、圧力計は基準値の0.3MPaを示しました。やはりトラブルの原因は配管の詰まりでした。化学洗浄により、配管の詰まりが解消され、正常に冷却水が循環しています。

スケール化学洗浄の動画

今回のスケール化学洗浄の作業を動画にて公開しております。

お客様の声

「迅速なご対応ありがとうございました。配管を洗浄したあと、圧力計が元の数値に戻ったため、トラブルが改善されました。今後ともよろしくお願いします。」

水処理薬剤を使い始めたら起こるトラブル

これまでに水処理薬剤を使わずに冷却塔(クーリングタワー)を使用しており、新しく水処理薬剤を使った管理を始めた場合に起こるトラブルとして、以下のことが考えられます。

配管内に付着したスケール等が徐々に剥がれ落ちる

水処理薬剤を使用していなかった時期に付着していた配管内のスケール等が、薬剤の効果で徐々に剥がれ落ちて、ストレーナーや配管を詰まらせることがあります。

対策:配管が詰まった際は配管洗浄を行って下さい。水処理薬剤の使用はスケール障害を改善し、配管内のスケール等を剥がし、徐々に綺麗にする効果がありますので、定期的にストレーナーの清掃をすれば、トラブルがなくなります。

充填剤に付着したスケール等が徐々に剥がれ落ちる

水処理薬剤を使用していなかった時期に充填剤に付着していたスケール等が、薬剤の効果で徐々に剥がれ落ちて、ストレーナーを頻繁に詰まらせることがあります。

対策:水処理薬剤を導入する前に、充填剤のスケールを落とす、高圧洗浄機を使った冷却塔清掃を推奨します。充填剤に付着しているスケールの状態によって、簡単に洗い落せる場合があります。その場合はあらかじめスケールを除去しておくことで、薬剤の効果で剥がれ落ちたスケールが、ストレーナーを詰まらせるトラブルを未然に防げます。

よくあるご質問

なぜ冷却水の循環ポンプの圧力が異常に高くなるのか?

冷却水の循環ポンプの圧力が異常に高くなる原因は、いくつかの要因が考えられます。例えば、ポンプの出口側のバルブが閉まっている、配管が詰まって水が送られない、ポンプのストレーナーが目詰まりを起こすなどが考えられます。これらの問題が解決されないと、ポンプは水を送ろうとして圧力が上がり、さらには設備の一部が破損する可能性もあります。定期的な点検とトラブル改善が重要です。

水処理薬剤の使用は配管にどのような影響を与えるか?

水処理薬剤の使用は初期の1年間ほどは配管内のスケールを剥がし、配管が徐々に綺麗になります。その後、スケールの付着が減少し、配管内はきれいに保たれます。そのため、水処理薬剤の使用により、定期的なストレーナーの清掃頻度が減少する傾向があります。しかし、初期の1年ほどはストレーナーの詰まりが増加する可能性があることに留意する必要があります。

水処理薬剤の使用によって、スケール障害が改善されるのか?

水処理薬剤の使用によってスケール障害は改善します。元々水処理を行わずに設備を使用していた際にスケール障害が発生している場合、水処理薬剤を導入すると、スケール障害は解消されます。ただし、一年ほど経った後、ストレーナーの詰まりという新たなトラブルが発生する可能性があります。この問題は、水処理薬剤の使用によって、配管内の付着物が徐々に剥がれてストレーナーを詰まらせることが原因です。水処理薬剤の使用はスケール障害を改善し、配管内を徐々に綺麗にする効果がありますので、定期的なストレーナー清掃を実施すれば、トラブルはなくなります。

冷却塔の配管や冷却塔のストレーナーの詰まりを防ぐ方法は何ですか?

冷却塔(クーリングタワー)の配管やストレーナーが詰まる主な原因は、スケールの生成、藻やスライムの繁殖、工場からの粉塵や繊維の吸引、そして冷却水の水質の問題によるものです。よって、冷却水の配管や冷却塔のストレーナーの詰まりを防ぐ方法は、 ストレーナーの定期的な清掃と、水質管理です。これにより、冷却水が効率的に冷却され、設備の安定性が向上します。必要であれば、専門家による水の管理を検討することもおすすめです。

 

お問い合わせ

当社では、冷却塔(クーリングタワー)の配管の詰まりや循環ポンプの圧力計上昇等のトラブルについて、改善のご提案を行っています。冷却塔の修理から清掃までご対応しております。冷却塔(クーリングタワー)のトラブル改善については、「冷却塔トラブル改善プロ」まで、お気軽にお問い合わせください。