働き方改革の影響で変わる現場の姿と疑問
年度末になると、どの現場も忙しさが増してきます。そんな中、急な仕事の依頼が入り、誰もが知るような大手企業の工事に行ってきました。そこで感じたのは、働き方改革の影響で現場の働き方が大きく変わったということです。
大きな工場で仕事をすると、まず安全関係の説明にかなりの時間を割かれます。午前中はほとんど作業が進まず、ようやく仕事を始められるかと思ったところで10時の休憩タイムが訪れます。その後30分間の休憩を取り、少し仕事をしたら今度は昼食タイム。一昔前のように工期が迫っているからと休憩を削って作業を進めるということはなくなり、休憩時間はきっちりと守られています。
工事の進行状況が気になり、昼休みも作業を続けていると、周りの現場がシーンとしていることに驚かされます。昼休みに作業をしていると、なんと作業を止められてしまうのです。さらに残業も厳しく規制されており、効率的に進めようとしても工期が間に合わない状況が生まれてしまうことがあります。
こうした状況の中、人手不足が叫ばれる一方で、こなせる仕事量が減り、賃金が上がるという現実に直面しています。働き方改革によって改善された面もあるとは思いますが、現場で働く者として「働き方改革って何なのだろう?」という疑問が残ります。
安全や労働環境の改善はもちろん大切です。しかし、それと同時に、現場での作業効率や工期の現実的な見直しも必要ではないかと感じました。働き方改革が本当に現場で働く人々のためになる形で進化していくことを願っています。