株式会社セールスエンジ

「設備の未来(あした)をささえる」
株式会社セールスエンジ

職人不足が引き起こす製造業の課題と現実

20年近く前から定期的にいただいている仕事があります。忘れたころに突然注文が舞い込むため、予想外の売上として嬉しいものですが、最近はその仕事に関して困難な状況に直面しています。

その仕事は、大手企業様から依頼された機械の製作に端を発します。初めて手がける機械で、何度も手直しを繰り返しながら完成させた思い出深いものでした。それ以降、数年おきに注文をいただき、気がつけば相当な台数を納めてきたのですが、6~7年前を最後に注文が途絶えていました。

そんな中、久しぶりに注文をいただいたのですが、ここで問題が発生しました。当時協力いただいていた外注先の鉄工所がすでに廃業しており、製作に必要な技術を持つ職人さんが見つからないのです。以前はどこの鉄工所でも対応できた加工も、今では腕利きの職人が減少し、技術を引き継いだ後継者も少ないため、対応できる先が限られています。

いつもお願いしている加工屋さんにも相談しましたが、「こんな難しい加工は無理」と断られてしまいました。結局、再び試行錯誤を重ねながら一から製作に取り組むことになり、完成までに時間がかかり、製造コストも以前の2倍に跳ね上がってしまいました。

さらに、「価格を下げてもらえませんか?」という要望をいただきましたが、現在の状況では価格を下げるどころか、そもそも仕事を受けてもらえる場所を探すことすら困難です。職人不足の影響が、こうした形で製造業に深刻な課題をもたらしていることを改めて痛感しました。

製造業における技術の継承や、職人の育成がいかに重要かを実感する日々です。この課題に対してどう向き合い、解決策を見つけていくかが、これからの業界全体の未来を左右すると言えるでしょう。

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