取引先の廃業と引き継がれる仕事――嬉しさと寂しさの間で

取引先が廃業され、その仕事が回ってくるという話をたまに耳にします。機械部品や機械の製作といった内容が多いのですが、小さな企業には後継者不足や取引先依存といった問題がつきものです。

お客様にとっても、取引先の廃業は大きな痛手です。これまで簡単に依頼できていた仕事が急にできなくなり、困り果てて「助けてほしい」と相談を受けることがあります。しかし、そういった時に肝心の詳細な図面が手元にないケースがほとんどです。

図面はブラックボックス化されており、提出されないのが業界の常識のようなところもあります。そのため、製作の依頼を受けても、実際に作ってみたら現物と合わなかったり、修正されていない図面を元に製作していたりと、予想外の問題に直面することもしばしば。

こういった場面に直面すると、以前その仕事をされていた企業さんの苦労がひしひしと伝わってきます。自社に仕事が回ってくること自体はありがたい話ですが、一方で、廃業という現実にどこか寂しさを感じずにはいられません。

これからも、回ってきた仕事にしっかりと向き合い、困っているお客様を支えながら、業界全体の未来を見据えた取り組みをしていきたいと思います。嬉しさと寂しさが入り混じる中で、仕事の重みを改めて感じる今日この頃です。