正当な利益が守る安全と信頼
バスツアーの事故で、若い方々の尊い命が奪われました。同じくらいの子を持つ親として、本当に悔やまれます。ご冥福をお祈りいたします。
今回問題になっているのは、ツアー会社がバス会社に対し、法律で定められた最低金額を下回る運行契約をしていたことです。「安く請け負ってくれ」との要請に、やむを得ずバス会社が仕事を引き受けたのかもしれません。
私たちの会社でも、お客様からの依頼には基本的に何でも応じる姿勢を大切にしています。急ぎの仕事、技術的に難しい仕事、休日対応、どんなに小さな案件でもお断りせず、大切に対応しています。私たちはお客様からの利益で成り立っており、そのおかげで従業員は給与を受け取り、日々の生活を送ることができる。商売において、お客様はまさに神様です。
しかし、唯一お断りする仕事があります。それは、正当な利益をいただけない案件です。どれだけ誠意を尽くしても、価格競争が絶えず、私たちにしかできない仕事であっても「もっと安く、もっと安く」と求められる。これでは商売は成り立ちませんし、そのようなお客様は神様とは言えないと思っています。
仮に無理をして安く請け負ったとしても、どこかで手を抜かざるを得なくなるでしょう。今回のバス事故も、ツアー会社が正当な対価を支払っていれば、無理な運行を強いられることはなかったのかもしれません。本当に悔やまれます。
商売は、お客様とのWin-Winの関係があってこそ成り立つもの。利益を守ることは、安全と信頼を守ることでもあるのです。