株式会社セールスエンジ

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新規設置の渦巻ポンプで水圧が上がらない原因とは?

「新規で設置した渦巻ポンプの水圧が上がらないんですけど…」
そんな一本の電話から、今回のトラブル対応が始まりました。

プラントが完成し、試運転中とのこと。ポンプに呼び水をしながら回しても、水圧が一向に上がらないという状況でした。原因としてまず疑ったのは、モーターの逆転。渦巻ポンプには回転方向があり、吐出口に向かって遠心力が働く方向に回転しなければ、適切な吐出圧が得られません。

しかし、電話でやり取りしても原因がつかめなかったため、ポンプの図面と取扱説明書を持って、すぐに現場へ駆けつけました。

現場で判明した驚きの原因

現場に到着してプラント全体を確認すると、ようやく状況が見えてきました。本来なら全体の図面をもらえればすぐに把握できるのですが、大きなプラントほど社外秘の情報が多く、なかなか図面を提供してもらえないのが現実です。

今回のポンプは、ピットより高い位置に設置され、水を約1mほど吸い上げる構造になっていました。そして、ポンプに接続された配管をたどっていくと…

吸込側の配管にフート弁が付いていない!

これでは水圧が上がらないのも当然です。

フート弁がないと水圧が上がらない理由

非自給式の渦巻ポンプは、ポンプ内に水を満水にしておかないと正常に吐出圧を発生させることができません。エアが残った状態では水に遠心力が働かず、スタート時には呼び水が必須です。

しかし、フート弁が付いていないと、せっかく呼び水をしても水が流れ出てしまい、ポンプ内が空になってしまいます。特に、水面より高い位置に非自給式渦巻ポンプを設置する場合は、吸込み側にフート弁を取り付けることが不可欠です。

ポンプレイアウト

プラント設計の難しさ

一つのプラントを設計するのは非常に大変な作業です。特に、大規模なプラントではバルブやポンプが何百台と使用され、それぞれが重要な役割を持っています。そのため、一つの設計ミスが大きなトラブルにつながることもあります。

今回の案件では、フート弁の取り付けを提案し、問題は無事に解決。これで半年にわたるプラントの仕事も完了となりました。

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