ギヤモータを120Hzで運転すると何が問題なのか?
「ギヤモータを120Hzで運転すると何が問題なの?」というお問い合わせをいただきました。
今回のケースでは、住友サイクロ減速機をインバータ周波数120Hzで使用されており、長期的な安定運用のために周波数を60Hzに下げられる減速比への変更を検討されていました。
120Hz運転で発生する問題
通常、4極モータを120Hzで運転すると、モータの回転数は1800r/min → 3600r/minに倍増します。このように高回転で運転すると、以下の問題が発生します。
- ベアリングやギヤの発熱が増加し、機械的な寿命が短くなる
- 運転時間の制限が発生(60Hzでは24時間連続運転可、120Hzではメーカー推奨10時間以内)
- 出力トルクが半減し、負荷に対する駆動力が不足する
高周波数での運転は短時間のみに
基底周波数(60Hz)以上の高い周波数での運転は、基本的に短時間の運用に留めるべきです。これは、プレミアムモータ(IE3)やインバータ専用モータを使用しても同じです。
「120Hzで2倍の回転数で使えば、寿命も半分になる」というのは避けられない事実。長期的な設備の安定稼働を考えるなら、周波数を下げる、もしくは仕様に適したモータ・減速機の選定をおすすめします。