メーカー標準品 vs. 内製部品、高いけど本当にそれでいいのか?
メーカー標準品は鋳鉄製だが、ステンレス製で製作できないかと機械部品の相談を受けた。
「メーカーは鋳物が標準なので、ステンレスで作ると削り出しになって高くなりますよ」と伝えると、お客様も「切削加工は自社でできるので、内製したほうが安いですね」と納得され、話は終わったかと思っていた。
ところが、数週間後に再び電話があった。
「客先からメーカー品を使えと言われ、板挟みになって困っています!」
自社で製作する方向で決まったはずだったが、どうやら装置を製作する際に、部品はメーカー品を使用するよう依頼主から指示があったらしい。
もともとは、自社で製作する形で図面を作成していたが、それではダメだと言われたとのこと。後々の部品交換を考え、どこでも手に入るメーカー標準品を使うよう求められたらしい。
「だったら、高くて納期もかかるけど、メーカーに作ってもらいましょう」と提案すると、お客様も仕方なく了承された。
大手企業向けの装置なので、先の保全管理を考慮しての判断なのだろう。
結局、作るのが町工場かメーカーかの違いだけ。それでもメーカー品として採用されることに意味があるのかもしれないが、価格が大きく変わることを考えると、これで本当にいいのだろうかと少し疑問が残る。