株式会社セールスエンジ

「設備の未来(あした)をささえる」
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老舗の閉店が続く理由と商売の基本について考える

地元の大牟田市で長年続いてきたボルト屋さんと金物屋さんが、今月いっぱいで閉店するとのことです。自分も最初はボルト屋をやっていたので、何とも寂しい気持ちになります。閉店の理由は後継者不在だそうですが、それだけが原因ではないように思います。

昔ながらの商売を続けているだけでは、市場は縮小する一方です。後を継ぐ人がいないのも、単に後継者不足というより、事業として魅力を感じにくいのかもしれません。特にボルトや金物を扱う業者は、インターネット通販やホームセンターの影響を受け、売上が減少したと言われています。しかし、果たして本当にそれが原因なのでしょうか?

例えば、多くのボルト屋さんは朝の開店が遅く、夕方5時には閉店、土日祝日は休業というケースが多いです。これでは、必要なときに買えないため、せっかくの豊富な在庫があっても意味がありません。お客様は急ぎの材料を求めているのに、営業時間が短いことで購入機会を逃しているのです。結果として、ネット通販やホームセンターに流れてしまうのは当然の流れでしょう。

さらに、在庫を減らすことで経営を安定させようとする店もありますが、これではお客様が必要なサイズのボルトを求めても手に入らず、結局別の手段を選ばざるを得ません。わざわざ店舗まで行ったのに在庫切れでは、顧客の信頼は失われてしまいます。「翌日には仕入れられるから問題ない」と言われても、それならネット通販で注文したほうが早いと考えられてしまうのも無理はありません。

インターネット通販やホームセンターの台頭は避けられませんが、それが悪いわけではありません。問題は、売り手側が「お客様の都合を考えていない」ことです。お客様が求めるのは、必要なときにすぐ手に入ること。それが叶わなければ、当然、より便利なサービスに流れていきます。

「お客様は神様」という言葉は賛否ありますが、少なくともお客様を粗末に扱えば、商売は成り立ちません。単に古い業界だから仕方がないと諦めるのではなく、時代に合わせた営業スタイルを考えることが、今後の生き残りのカギになるでしょう。

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