株式会社セールスエンジ

「設備の未来(あした)をささえる」
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無理な値引き前提の受注は、結局誰も得をしない

付き合いのある商社さんにふらっと立ち寄ると、開口一番「あのさぁ〜杉山さんどう思う???」と相談を持ちかけられた。

「どうしたんですか?」

「いや〜参ったよ。お客さんから3社競合の機器の引き合いがあって、メーカーからもらった見積り金額よりも下げて回答したら即注文になってね。ところが、そのままの金額だと大赤字だから、メーカーに値引きの相談をしたら『一切値引きはしません』って言われたんだよ。どう思う?」

聞けば、最近流行の「ものづくり補助金」絡みの案件で、3社見積りが条件の引き合いだったとのこと。しかも、金額も大きく、普段扱っていない機器だったらしい。つまり、当て馬のような形で引き合いに参加したが、注文が欲しい一心でメーカーの見積り金額よりも安く回答。受注後にメーカーに値引きを頼めば何とかなると思っていたが、完全に誤算だったようだ。

「それはしょうがないですね。最初からお客様と打ち合わせを進めていた商社さんが別にいたなら、メーカーが値引きしないのは当然です。もし値引きしたら、もともと話を進めていた商社さんとの関係が壊れてしまいますよ。」

赤字覚悟で受注するのは自由だが、それをメーカーに押し付けようとするのは困った話。結局、納めた後にトラブルが発生しても全てメーカー任せになるのが目に見えている。そうなれば、お客様にとっても迷惑でしかない。

「そんな商売をするより、長年の経験を強みに活かした方がいいですよ」と伝えたが、果たしてどこまで理解してもらえただろうか…。安易な値引き競争に走るよりも、しっかりとお客様に価値を提供することが、長く信頼を得る商売の基本だと改めて感じた一件だった。

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