自分の言葉で売る—機械商社としての存在価値
お客様から「機器の引き合いがあるので打ち合わせに来てもらえませんか」と連絡があり、いつものごとくすぐに飛んで行きました。
得意としている機器の打ち合わせには、メーカーを呼ぶことはほとんどありません。いただいたお話は、自分でやらないと気が済まない性分のようです。
若い頃は、機器の打ち合わせにはメーカーを同席させていました。しかし、その頃思っていたのが、自分のお客様と打ち合わせをしているのはメーカーで、自分はその横でじっと話を聞くだけ。打ち合わせの会話にうまく入ることもできず、最終的に見積もりを出すだけの役目。
「俺って、お客様にとって本当に必要な存在なんだろうか?」
そんな疑問を抱えながら、メーカーと同行する打ち合わせが嫌で仕方ありませんでした。注文をもらっても、自分が頑張ったわけではないので、あまり嬉しく感じられませんでした。
「自分自身に商品知識がないと、お客様と対等に話もできない。これじゃダメだ!」
商社は、そもそもメーカーの代理で販売するのが仕事です。しかし、単にメーカーのカタログを持っていくだけでは存在価値はありません。
メーカーの代わりにできること、それは…
- お客様から引き合いの連絡があったら、すぐに駆けつけて仕様の打ち合わせを行うこと
- 注文をいただいた後、納入を運送会社任せにせず、機器の搬入に立ち会うこと
- 納入後にトラブルが発生した際、素早く現場に向かい状況を把握し、メーカーへ正確に伝えること
自分の役割は、メーカーをサポートしながら、お客様にとって必要不可欠な存在になること。そこにこそ商社としての価値があり、お客様から利益をいただく理由があると考えています。
だからこそ、自分が売りたいと思うのであれば、自分の言葉で売りたい。
そんな機械商社であり続けたいですね。