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食品加工用機械の労働安全衛生規則改正とその影響

平成25年10月1日より施行された食品加工用機械の労働安全衛生規則(安衛則)改正について、詳しく理解するために改正対応セミナーを受講してきました。今回の講師は、トヨタ自動車で長年安全管理を担当されていた安全対策のスペシャリストで、非常に実践的な内容を学ぶことができました。

なぜ食品加工用機械の安全規則が改正されたのか

食品製造業では、死傷災害の発生件数が非常に多く、食品加工用機械による死傷災害は年間2000件も発生しているそうです。これは他の産業機械(木材加工用機械・プレス機械・工作機械等)と比べて3〜4倍も高い発生率であり、大きな社会問題となっています。

食品業界で事故が多発する原因は、安全対策の不備にあります。機械に人が近づけば近づくほど、事故のリスクは高くなるのは明白です。

例えば、無人島に機械があったとして、どんなに危険な機械でも人がそこに立ち入らなければ事故は起こりません。工場でも同じで、作業者の手足や身体が危険なエリアに入らないようにすれば、事故は確実に防ぐことができます。

こうした背景から、厚生労働省は食品加工用機械および一般機械に対する労働災害を減らすために、安衛則を改正し、安全対策を義務化しました。

安衛則の改正内容(平成25年10月1日施行)

改正された規定は、新規に導入する機械だけでなく、既設の機械にも適用されます。違反した場合、労働安全衛生法違反として罰則が科される可能性があるため、企業は早急に対応を検討する必要があります。

食品加工用機械(第130条の2〜9)

  1. 切断機・切削機の刃部で切断・切削に必要のない部分

    • 覆いや囲い等を設置しなければならない
  2. 切断機・粉砕機等の原材料供給・取出し作業

    • 運転を停止して作業を行う、または治工具を使用するなどの措置を講じる
  3. 粉砕機等への転落防止

  4. ロール機への巻き込まれ防止

  5. 成形機・圧縮機での挟まれ防止

    • 覆いや囲いを設置しなければならない

一般基準(第107条)

  1. 機械の調整作業
    • 機械を停止して作業を行うか、運転中の作業が必要な場合は覆いの設置または特別な運転モードの採用が必要

安全対策のコストとリスク回避

既設の機械にも安全対策を求められるとコストがかかりすぎるのではと思うかもしれません。

しかし、講師の方が強調していたのは、事故が発生した場合の操業停止や、損害賠償のリスクを考えれば、安全対策のコストはむしろ安いということでした。

企業経営をしている身として、リスク回避の観点からも、事前の安全対策が極めて重要だと改めて実感しました。

今後の対応と企業の責任

食品加工用機械を扱う企業にとって、この改正は業務の安全性を向上させる絶好の機会です。ただし、単に法令を遵守するだけでなく、作業者の安全を最優先に考えた対策を行うことが求められます。

機械の設計段階から安全性を考慮し、適切な安全カバーや運用ルールを整備することで、労働災害のリスクを大幅に低減できるでしょう。

今後、安全基準のさらなる強化が進む可能性もあるため、継続的な情報収集と対策の見直しを行いながら、安全な職場環境づくりに努めていきたいと思います。

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