中小企業の事業承継問題と社長の終活
最近、中小企業の事業承継問題がますます深刻になっていると感じます。80代になっても現役で経営を続けている社長が多く、「会社を作るのは簡単でも、辞めるのは難しい」という現実が浮き彫りになっています。
では、なぜ社長は辞められないのでしょうか?
それは、社員とお客様がいるからです。社長の判断が経営に大きく影響する中で、「自分がいなくなったら会社はどうなるのか?」という不安がつきまといます。しかし、経営者がいつかバトンを渡すことを意識し、計画的に準備を進めていけば、スムーズな承継は可能です。
60歳をめどに事業承継の準備
私は、60歳をめどに、いつでも引き継げる体制を整えることを意識しています。そのために、社員が引き継げない仕事を今から整理することを進めています。事業の継続に必要な知識や業務フローを仕組み化し、特定の個人に依存しない体制を作ることが重要です。
事業承継には時間がかかります。「何を会社に残し、将来をどの方向へ向かわせるのか」というビジョンの明確化は、一朝一夕でできるものではありません。だからこそ、社長の終活は早めに、計画的に進めることが求められます。
社長が次の世代にバトンを渡すことは、会社を未来永劫続けていくために避けて通れない道。だからこそ、「辞められない」ではなく、「引き継げる経営」を今から考えていく必要があるのではないでしょうか。