安売り合戦には、もう参加しません
主力だった産業機械との決別
先日、久しぶりに産業機械の大口引き合いをいただきました。ただ、今回は見積りを辞退しました。
この機械、実は起業当時から販売していたもので、一時期は当社の主力商品として、ずいぶん助けられてきました。けれど、ここ数年は状況が一変。他社との競合が激化し、値下げ合戦の様相に。2~3年ほど前からは、まったく注文が入らない状態が続いていました。
他社も実績作りのために、ほぼ利益なしの価格で販売しており、完全に消耗戦です。機械商社同士での消耗戦になってしまったわけです。
商社の裏側と価格競争の落とし穴
私がこういう案件で嫌なのは、商社が安く受注しておきながら、最終的には機械メーカーに泣きつく構図です。
「他社とも競合してるんです」とか、「この価格じゃないと決まらない」とか言って、実際には存在しない競合をでっちあげてまで値引きを要求する。そんな交渉が、業界内では当たり前のように行われています。
お客様からすれば、価格が安い方が魅力的に見えるのは当然のこと。ただ、その裏で苦しんでいるメーカーさんがいるという現実は、あまり知られていません。
価格での競争が行きすぎると、結果的に「いいモノ」が現場に入らなくなる。お客様にとっても、本当は損をしている場合があるんです。
そんな構造を分かっていながら、当社がその競争に加わる理由はありません。見積りを出しても、利益が出ず、時間も労力も無駄になる。だからこそ、今回は丁重に辞退をさせていただきました。
商売に情があった時代は、もう遠い昔かもしれません。