「冷却塔といえばセールスエンジ」分野を絞ったからこそ見えた景色
今週は、新規のお客様からの問い合わせが続き、新しい案件のご相談も立て続けにいただいています。
少しずつですが、「冷却塔といえばセールスエンジ」と言っていただけるようになってきました。
これは、数年前に事業の方向性を大きく転換し、冷却塔に特化した結果だと思っています。
広く浅くでは、戦えなかった
以前は機械商社として、いろんな産業機械を扱っていました。
「これもお願いできる?」とお客様に言われると、つい断れず何でも取り扱ってしまう。そんな状態が続いていました。
その結果、専門性がぼやけてしまい、他社との価格競争にも巻き込まれ、少しでも高ければ選ばれない。
「このままでは先が見えないな」と感じたとき、冷却塔に特化する決断をしました。
誰よりも詳しく、誰よりも現場を知っている会社になる。
そう腹をくくって進めてきた結果、いまでは価格よりも“信頼”で選ばれるようになってきました。
中小企業は、なんでもやろうとしない方がいい
中小企業は、リソースが限られています。
人もモノもお金も潤沢にはない。だからこそ、大企業のように幅広く手を出すよりも、絞って一点突破を狙うべきです。
分野を絞れば、人材育成もしやすくなります。
以前は数年に一度しか扱わない製品でも知識が求められ、「広く浅く」を求めざるを得なかった。でも、それでは経験もスキルも定着しません。
今は冷却塔に特化している分、現場経験がそのまま技術になる。
お客様ごとに微妙に違うトラブルがあるからこそ、毎回の対応が社員の成長にもつながっていく。そして、それが会社としての強みになっていく。
専門分野でも、意外と幅広いニーズがある
冷却塔に特化したからといって、仕事の幅が狭くなるわけではありません。
冷却塔そのものの知識、水質や薬剤に関する知識、定期清掃、修理など、必要とされるスキルは実に多岐にわたります。
ただし、それらはすべて「冷却塔」に関わること。
分野を限定している分、覚える範囲も自然と整理され、無駄がない。
しかも、冷却塔は設置環境や使用条件が一つひとつ違うので、現場での経験がダイレクトに活きる仕事でもあります。
その積み重ねが、専門性をさらに高めてくれる。
分野を絞ったからこそ、経験が力になり、知識が武器になる。
それを繰り返していくことで、ようやく「冷却塔といえば」と言ってもらえるような存在になれてきたのだと思います。
中小企業だからこそ、絞って戦う。
その判断が、今の自分たちをつくってくれました。