株式会社セールスエンジ

「設備の未来(あした)をささえる」
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一発勝負をやめて、会社が積み上がる仕事を選んだ理由

機械を売っていた頃は、「1案件で大きな金額を売ること」が正解だと思っていました。年を重ねるごとに受注金額は増え、起業してからも、その考え方を疑うことはありませんでした。

でも、ある時ふと立ち止まりました。

資金力のない中小企業が、一発勝負のようなビジネスを続けるのは、かなり危険ではないか、と。

売上は読めず、人材教育は積み上がらず、景気の影響を強く受ける。振り返ると、やはり不安定な要素ばかりでした。機械を売るなら、保守があってこそ。売るたびに、会社が少しずつ強くなっていく。今思えば、そこを目指すべきでした。

例えばコピー機。

本体を売れば、消耗品やメンテナンスが継続して発生します。いわゆるジレットモデルです。売って終わりでは、何年やっても積み上がらない。これは、身をもって感じてきました。

機械販売の最後の仕事は、海外向けの1億円案件でした。

うちにしかできない仕事でしたが、利益率は低く、コロナ禍の影響もあり完納まで2年。

資金繰り、納期調整、仕様打ち合わせ。本当に動くのかという不安もあり、正直、気苦労の連続でした。

この仕事を続けるには、誰かに引き継がなければなりません。でも、人を育てるには仕事が必要で、景気が悪くなれば仕事は減る。教えたくても、教える「場」がありませんでした。

そこで、辞める決断をしました。

中小企業に本当に必要なのは、派手さではなく、堅実なビジネスモデルだと思います。

事業を承継するにも学ぶ場が必要ですし、学ぶ技術が難しすぎれば、続きません。一部の人しかできない仕事は、会社にとって大きなリスクになります。

そこで選んだのが、これまでの強みを活かした、冷却塔(クーリングタワー)の保守でした。

 

冷却塔は、多くの工場で使われているにも関わらず、売りっぱなしで、定期メンテナンスがされていないケースがほとんどです。

ジレットモデルで考えると、冷却塔は水を使う設備なので、水質管理というストックがあります。そこに消耗品や定期メンテナンス、必要に応じたフローの仕事も組み合わせられます。

多くの現場では、「壊れてから慌てて直す」が当たり前になっています。しかし冷却塔は、一度止まると工場の生産が止まる、とても重要な設備です。

「壊れてから直す」のではなく、「止めないための安定稼働」。ここには、はっきりとしたニーズがありました。

1件あたりの売上は大きくありませんが、利益率は高く、仕事は安定しています。やることを絞ったことで学ぶ場が生まれ、技術が標準化され、人が人を育てる会社になってきました。

マーケティングとは、売ることではなく、売るほどに会社が強くなる仕組みをつくること。あの時の決断は、間違っていなかったと、今は感じています。

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