連休の仕事をあえて断る。中小企業が“価値で選ばれる会社”になる方法
「仕事を増やしたいのに、あえて断るなんておかしい」
以前の私は、そう思っていました。
中小企業の経営者ほど、来た仕事はできるだけ受けたいものです。
私もずっとそうでした。
せっかく声をかけてもらったのだから、断りたくない。
ここで断ったら、次はないかもしれない。
そんな不安がありました。
でも今は、仕事を断ることも大事な経営判断だと感じています。
今、メンテナンスの仕事を事業拡大しています。
そこで見えてきたのが、連休に依頼が集中するという問題です。
工場は、設備を止められる時期が限られています。
そのため、年末年始やGWなどの長期休暇に、メンテナンスの依頼が集まりやすくなります。
一件一件は、本当にありがたい話です。
ただ、同じ時期に集中すると、受けられる仕事の量には限界があります。
以前は、何とか詰め込んででも受けていました。
でも、無理に受け続けると、必ずどこかにしわ寄せがきます。
現場が重なる。
人の配置が苦しくなる。
確認が甘くなる。
一件ごとに向き合える時間も減っていく。
これでは、仕事の質が落ちます。
仕事の質が落ちると、売上は立っても、信頼は少しずつ削られていきます。
その時に思いました。
これは事業拡大ではなく、ただ自分たちを苦しめているだけではないか、と。
そこで考え方を変えました。
長期休暇など依頼が集中する期間は、あえて受けない。
無理に詰め込まない。
受けた仕事に、きちんと価値を出せる状態を優先する。
最初は怖さもありました。
断ったことで売上が減るかもしれない。
他社に流れるかもしれない。
でも、それ以上に怖いのは、無理に受けて仕事の質を落とすことです。
だから、すべての仕事を受けるのではなく、価値を出せる仕事を受ける。
この考え方に変えました。
その代わり、うちのサービスに価値を感じていただけるお客様には、スケジュールを合わせていただく形にしています。
「いつでもやります」ではなく、
「価値に合わせて選んでもらう」というスタンスです。
すると、価値が伝わっているお客様ほど、日程を調整してくださいます。
逆に、日程ありきでしか判断されない仕事は、長く続きにくいと感じます。
価格だけで選ばれる仕事が苦しくなるのと同じで、都合の良さだけで選ばれる仕事も苦しくなります。
大事なのは「件数」ではなく、「どう選ばれているか」です。
中小企業は、人も時間も限られています。
だからこそ、来た仕事を全部受けることを目指すのではなく、自分たちが一番価値を出せる仕事に集中することが大事です。
無理に数を追わない。
無理に広げすぎない。
その代わり、一件一件でしっかり結果を出す。
その積み重ねが、「この会社にお願いしたい」という信頼になります。
昔は、仕事を断ることに後ろめたさがありました。
でも今は、断ることも立派な経営判断だと思っています。
全部を受けることが誠実なのではありません。
受けた仕事にきちんと価値を出すことの方が、ずっと誠実です。
経営は、売上を増やすことだけではありません。
価値を落とさないこと。
信頼を守ること。
無理な仕事の受け方をしないこと。
これも、同じくらい大事な経営だと思います。
連休の仕事をあえて断る。
依頼が集中する時期は、無理に受けない。
その代わり、自分たちの価値を理解してくださるお客様と、長く付き合う。
無理に広げるより、しっかり価値を出す。
その積み重ねが、“選ばれる会社”をつくっていくのだと感じています。

