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冷却塔トラブル改善プロ

冷却塔の充填材が汚れる理由とは?効果的な対策と清掃方法

こんにちは、冷却塔トラブル改善プロ、株式会社セールスエンジの杉山です。今回は、冷却塔(クーリングタワー)の水処理薬剤を使っているにもかかわらず、充填材が汚れる理由についてお話しします。

冷却塔の水処理薬剤の効果とその限界

「水処理薬剤を使っているのに、なぜ、冷却塔(クーリングタワー)の充填材が汚れるのでしょうか?」

多くの方が、冷却塔に水処理薬剤を入れていれば充填材は汚れないと思われがちです。しかし、これは一部正しい情報ですが、すべての汚れを防ぐことはできません。

冷却水に入れる薬剤の効果は以下の通りです。

  • 熱交換器や配管内にスケールの付着を防止
  • 藻や雑菌、レジオネラ属菌の繁殖を抑制
  • 金属の腐食防止

これらの効果は、主に水が流れる部分に限定されます。充填材の外側は水が流れておらず、空気中の塵やほこりが付着しやすいため、汚れがたまりやすくなります。これが、蒸発残留物と呼ばれる汚れの原因です。

充填材の清掃の重要性

蒸発残留物が付着している部分に水が掛かれば洗い流されますが、角形冷却塔の構造上、充填材の外側は水がかかりにくく、目詰まりを引き起こします。そのため、水処理薬剤を使用していても、定期的な清掃が必要です。

冷却塔の冷却仕組み

冷却塔は、冷却ファンによって外気を吸い込み、充填材の表面を伝って流れ落ちる水が風と接触し、気化熱によって水が冷却される仕組みです。気化熱とは、人が汗をかいて扇風機にあたると冷っとする現象と同じです。冷却塔はこの気化熱を利用して水を冷やしています。

クーリングタワー

清掃を怠った結果

以下の写真は、数年間清掃をせずに使い続けた結果、冷却塔の充填材が目詰まりした状態です。このようになると風が通らなくなり、水を冷やすことができません。

この状態でも手で叩いて汚れが落ちるようであれば高圧洗浄機による清掃が可能ですが、汚れが石のように固まっている場合は、充填材を交換する必要があります。

汚れやすい設置場所と充填材の寿命

冷却塔の充填材は設置場所によって汚れやすい場合があります。例えば:

  • 粉じんが舞っている工場
  • 車の通りが多い道路沿い
  • 砂埃が多い場所

外部から冷却塔に入ってくる埃は、清掃でしか解消できません。冷却水処理薬剤は、水に浸かっている状態でしか効果がありません。

充填材は、清掃を行わなければ10年程度で交換が必要になることが多いです。適切な水の管理と年1回の清掃を行えば、充填材の寿命は20年〜30年に延ばすことができます。

動画で解説

YouTubeの動画では、冷却塔の充填材が汚れる理由について詳しく解説しています。ぜひご視聴ください。

まとめ

定期的に冷却塔の充填材を清掃することで、冷却効果が高まり、設備トラブルも減少します。設備の維持管理には定期的な清掃が欠かせません。当社では、冷却塔のトラブルについて改善のご提案を行っています。お気軽にお問い合わせください。

ご一読くださりありがとうございました。

記事を書いた人

杉山 哲也

株式会社セールスエンジ 代表取締役社長

杉山 哲也

「お客様の『困った』を解決し、日本製造業の生産性向上に貢献する」を理念に、冷却塔の水質管理やメンテナンスで工場の安定稼働を支える専門家。ブログでは、冷却塔や水処理に関する役立つ情報を発信しています。
冷却塔のトラブルでお困りでしたら、お気軽にご相談ください。

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