Vol.24「オーバーフローして水が止まらない」 原因は腐食?水漏れ改善へ!
冷却塔(クーリングタワー)がオーバーフローして水が止まらないトラブルについて、改善事例をご紹介いたします。
お客様からの相談内容
冷却塔(クーリングタワー)から、冷却水がオーバーフローして垂れ流しになっているので、原因を調べて欲しいとのご相談をいただきました。
現場の状況
冷却塔に自動ブロー装置が付いている場合、定期的に水の入れ替えで排水しているため、お客様が知らずに水が垂れ流しになっていると勘違いされることがあります。
自動ブロー装置を確認すると、ブロー弁は閉まっており給水はされていませんでした。しかし、冷却塔の排水口からは水が連続でオーバーフローしており垂れ流しの状態になっていました。
そのため、冷却水の濃縮も低く、水処理薬剤の濃度も基準値を下回っていました。
トラブルの原因
冷却塔(クーリングタワー)では通常、ボールタップで水位を一定に保たれているため、オーバーフロー排水口から水が溢れることはありません。水が溢れるのは、自動ブロー装置で自動弁を開閉し水の入れ替えを行うブローダウンの時だけです。
常時、冷却塔のオーバーフロー排水口より水が溢れている場合は、冷却水系統のどこからか給水されている可能性があります。
冷却水系統に水が給水されるトラブルで考えられる原因としては、以下が考えられます。
- ボールタップの水漏れ
ボールタップのパッキンが悪くなり、水が漏れている。 - ボールタップの給水配管の水漏れ
冷却塔内のボールタップ給水配管が腐食し穴があいて、水が漏れている。 - 自動ブロー弁の水漏れ
自動ブロー弁(電動バルブ)のシールパッキンが悪くなり、水が漏れている。または、故障して弁が開いた状態になっている。 - 緊急遮断弁の水漏れ
循環ポンプが停止した時にだけ開き給水を行うための、緊急遮断弁のシールパッキンが悪くなり、水が漏れている。または、故障して弁が開いた状態になっている。 - 密閉式冷却塔の銅チューブ水漏れ
オーバーフローの原因を調べていると、ボールタップの給水配管が腐食してサビで穴があき水が漏れていることが分かりました。
オーバーフローを放置していると
冷却塔のオーバーフローによる水漏れを放置したままだと、水道代が高額になる事もあります。また、冷却水に水処理薬剤を入れている場合は、水を垂れ流しにすることで濃度も維持されずムダに薬剤を捨てている事になります。
水漏れを防ぐことは、コスト削減にもつながりますのでオーバーフロー排水口の点検は定期的に行う必要があります。
オーバーフローの異常を見つけるポイント
冷却塔の水漏れを見つけるためには、日頃から点検をおこなう必要があります。
- オーバーフロー排水口より水が溢れていないか目視で確認を行なう。
- 補給水配管に流量計を設け、日常的に流量を確認する。
- 電気伝導率計が取付いている場合は、電気伝導率の数値が正常か確認する。
Youtubeでも冷却水がオーバーフローする原因について解説していますので、ご視聴ください。
トラブル改善のご提案
ボールタップの配管に、白ガス管が使用されていました。冷却水は、濃縮により塩化物イオンなど腐食性物質の濃度が高くなることがあります。腐食によるトラブルを防止するため、鉄の白ガス管から塩ビ材に交換することで水漏れは改善できました。
お客様の声
「最近、冷却塔の排水口から常に水が流れていることに気づいて、調べてもどこが原因かまったくわかりませんでした。水道の使用量が増えると困るのですぐに補修できて助かりました」
当社では、冷却塔(クーリングタワー)のトラブルについて、改善のご提案を行っています。冷却塔の修理や定期的な清掃までご対応しております。冷却塔(クーリングタワー)のトラブル改善については、「冷却塔トラブル改善プロ」まで、お気軽にお問い合わせください。