吸収式冷温水機のクーリングタワー延命に冷却水管理システムを導入
こんにちは、「冷却塔トラブル改善プロ」の杉山です。
急きょ、冷却水管理システムのお話をいただき納入に行ってきました。
突然の依頼でとにかく急がれており、すぐに見積もりを提出すると、即発注。
普通は水質を調査して、冷却水処理剤の選定からコスト試算を行い導入という流れで、早くても数カ月はかかるのですが。いきなり発注を頂くのは、初めてです。
何か理由があってのことで、色々と話を聞いてみました。
空調で使用される吸収式冷温水機のクーリングタワーが、老朽化しており延命策として冷却水処理剤を入れたいとの事でした。
クーリングタワーに付着するスケール障害で清掃を頻繁にされており、夏の空調機稼働シーズン前に急いで設置をしたかったそうです。
こちらのお客様では、冷却水の補給水に地下水を使用されていました。
スケールの原因は、地下水に含まれるシリカやカルシウム成分です。水道水や工業用水と比べると、どこも約2倍は以上含まれています。地下水を水質管理せずにクーリングタワーで濃縮させると、すぐにスケールが付着します。地下水と聞くと、かなり水質が悪いと認識しています。クーリングタワーの冷却水として使用される場合は、常に垂れ流しにして水の入替をするのが鉄則です。
まずは、ボールタップの配管を分岐し、自動ブロー弁を設置しました。水質管理装置の電気伝導率センサーで水の導電率を計測し、水質が悪くなると水の導電率が高くなる原理を利用し、設定した導電率の値になると自動でバルブを開閉し水の入替を行います。
冷却水管理システムと自動ブロー弁の配線を接続し、電源工事を行いました。夏場以外は、薬注ポンプの動作を停止させるため、循環ポンプの運転と連動させています。
これで、スケール障害からも解放され、クーリングタワーも更新せずに使い続けることができるでしょう。