- 2022年12月26日
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- 冷却塔ファンクラブ
Vol.22 チラー装置が異常停止するので困っている
こんにちは、「冷却塔トラブル改善プロ」の杉山です。
チラー装置が異常停止するトラブルについて、改善事例をご紹介いたします。
お客様からの相談内容
チラー装置が度々異常停止し生産ができずに困っており、トラブルの原因を改善して欲しいとのご相談をいただきました。
現場の状況
金型の冷却水に使用されている水冷式のチラー装置でした。水冷側は、冷却塔(クーリングタワー)で冷却水を冷やされており、よく冷えている状態です。
チラー装置を動かしてみると冷媒ガスの圧力が高く、すぐに高圧カット(高圧異常)が働きました。冬場は、トラブルも起きずによかったらしく、6月くらいからトラブルが出始めていました。
この状態だと、夏場になると生産ができなくなるため早めの対処が必要でした。
トラブルの原因
チラー装置の冷媒ガス高圧カット(高圧異常)が働く原因は、圧縮機で圧縮された、高温、高圧の冷媒ガスが凝縮器(コンデンサー)で冷却されずに圧力が異常に高圧になった場合、圧力スイッチが働き、圧縮機を停止します。これが、高圧カットが起こる原因です。
凝縮器で冷媒ガスが冷えなくなった原因を調べるため、冷却塔(クーリングタワー)の冷却水を調査すると、高濃縮の状態でブローダウンを行わずに使用されており、過剰濃縮によってスケール障害が起きていました。水にカルシウムやシリカを多く含んだ水質の地域では、スケール障害が起きやすくなります。
チラー装置の凝縮器(コンデンサー)にスケールが付着し冷媒ガスが冷えなくなっている状態でした。
冷却水の配管に取り付けられていた、温度計を取り外すと、感温部に硬くなったスケールが付着していました。薄っすらと付着した状態ですが、これだけでも熱の伝達率がかなり低下します。冷却水が冷えていても、熱が伝わらないため冷媒ガスは冷えません。
YouTubeでもチラー装置が異常停止する高圧カットについて解説しています。
トラブル改善のご提案
チラー装置の凝縮器(コンデンサー)を冷えるようにするために、冷却水配管の化学洗浄をご提案しました。
仮設のポンプを冷却水系統の配管に接続し、化学洗浄液を循環させて凝縮器に付着したスケールを洗浄しました。
洗浄後は、高圧ガスの圧力は下がり、高圧カット(高圧異常)は起きなくなりました。
このまま使用すると、冷却塔(クーリングタワー)のスケール障害で高圧カットが起きるため、水処理薬剤による水質管理をご提案いたしました。
社内稟議を通すために、テストデータが欲しいとの事でしたので、冷却水管理装置のテスト機をお貸しして6ヶ月間の水処理薬剤のテストを行いました。
夏場を超えて、チラー装置のトラブルが1件も起きなかったので、テスト後そのまま水質管理を継続してご依頼いただきました。
水質管理を導入後は、月に一度、お客様を定期訪問し冷却塔や水質管理装置に異常が無いか点検を行っています。冷却水は、毎月、水質分析を行い、分析結果をもとに水質に異常が無いかしっかりとチェックし最適な水質状態を保つようにしています。
点検作業が終わると、冷却塔点検報告書をメールでお送りしています。
当社が使用している点検表ペーパーレス化システムは、こちらになります→https://densica.com/
水質管理導入コスト
【6ヶ月のテスト期間】
- 冷却水管理装置テスト機貸出し 無料
- 水処理薬剤 有料
ご使用にあわせてご購入いただきます。
【保守契約ご契約後】
- 冷却塔水質安心プラン 月額/40,000円
冷却水管理装置リリュースレンタル
水質分析
定期点検
冷却塔(クーリングタワー)清掃(年1回) - 水処理薬剤 有料
ご使用にあわせてご購入いただきます。
お客様の声
「設備がいつ止まるかひやひやしながら生産をしていたので、トラブルが無くなり生産活動に専念できます。水だけでなく設備のことにも詳しいのですべてお任せできるため助かっています」
当社では、チラー装置の冷却水トラブルについて、改善のご提案を行っています。水処理薬剤の効果を検証するため、薬注装置のテスト機もご用意しております。テスト機で得た水質データをもとに、社内検討いただくことも可能です。冷却塔(クーリングタワー)のトラブル改善については、「冷却塔トラブル改善プロ」まで、お気軽にお問い合わせください。
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