Vol.44 「冷却塔からスリップ音?」簡易点検から始める安定稼働の秘訣!
お客様のお困り事
当社では、冷却塔(クーリングタワー)の水質管理をご依頼いただいているお客様に対して、冷却塔の簡易点検サービスを行っています。お客様をご訪問時に、冷却塔のファンベルトからキュルキュルとスリップ音がしていました。冷却塔が急に冷えなくなると工場の生産に支障をきたすため、点検を行って欲しいとご依頼をいただきました。
トラブルの原因
簡易点検サービスを実施した結果、ファンベルトが擦り減って摩耗し、亀裂が入っていました。モータ側のプーリーも摩耗し、交換が必要な状態でした。交換の依頼を受け、実施しました。
トラブル改善のご提案
Vベルトとモーター側プーリーを新品に交換しました。
プーリー交換後は、ベルトが盛り上げってるのがわかります。
ファンベルトの交換手順
- モーターが取り付いているスライドベースのボルトを緩め、ファンベルトを緩めて取り外します。
- 新品ベルトを取り付け、適正なテンション(張り)に調整します。
※交換する時は、プーリーとファンベルトの間に手を挟まれやすいので、注意して作業を行ってください。
テンションについては、ベルトのサイズやファンの大きさによって異なりますので、冷却塔メーカーの取扱説明書などに記載された張力に調整します。ベルトの緩みは、プーリが空回りを招き、逆に張り過ぎはモーターへの過負荷に繋がりますので、適正なテンションに調整してください。
テンションメーターの使い方
テンション測定にはテンションメーターを使用します。青い丸を←の方向へ限界まで引っ張り、赤い丸をファンベルトの中心に押し当ててテンションを測定してください。青い丸の輪っかの位置がテンションの数値になります。
まとめ
交換の目安としては、年1回ですが、消耗が見られる場合は早めに交換することをおすすめします。ファンベルトが切れると冷却ファンが回転しなくなり、結果として冷却水が冷えなくなります。定期的に点検して状態を把握しておきましょう。また、ファンベルトは消耗部品なので、急なベルト切れに備え予備品が必要です。ベルトの型番が分からない場合は、冷却塔メーカーに手配することになり、納期が掛かる場合があります。型番が分かればすぐに手に入りますので、必ずファンベルトの型式を控えておいてください。