株式会社セールスエンジ

「設備の未来(あした)をささえる」
冷却塔トラブル改善プロ

Vol.28 「流量低下で設備が稼働できない」配管洗浄で流量を回復!

お客様からの相談内容

某食品工場様より、冷却水の流量が低下し設備を冷やしきれず、生産能力が低下していることもあり、原因を調べて欲しいとのご相談をいただきました。

トラブルの原因

現地確認に伺うと、冷却塔(クーリングタワー)の外観は、黒カビで覆われ周辺まで黒くなっており、配管内や冷却塔の下部水槽に取り付けられたストレーナは目詰まりしていました。そのため、凝縮器(コンデンサー)への水量が低下し熱交換率が低下し生産性が低下していました。

カビや雑菌が繁殖した原因は、食品工場の排気ダクトから出ている食品の臭気を冷却塔(クーリングタワー)が吸い込んだことが原因のようでした。食品臭気は、冷却水に溶け込むと、カビや雑菌などの栄養素なりスライム障害を引き起こします。そのことが原因で、ストレーナが詰まり冷却水の流量低下が起きていました。

トラブル改善のご提案

冷却水系すべてにスライムの繁殖が広がっているため、配管内すべてを洗浄する化学洗浄液による配管洗浄をご提案いたしました。

冷却水配管の化学洗浄工事

配管洗浄用の化学洗浄液にも種類があります。今回は、スライム障害のため過酸化水素水を使用します。過酸化水素水は、身近なものでは傷口の殺菌液として使用するオキシドールです。

過酸化水素による化学洗浄

冷却塔(クーリングタワー)の下部水槽に過酸化水素を投入します。

冷却塔内で過酸化水素がスライムと反応し、泡が発生します。泡の正体は、過酸化水素が分解された酸素(O2)です。オキシドールを傷口に塗るとでる泡と同じです。

冷却塔(クーリングタワー)の外へも泡が溢れています。

冷却塔の上部散水槽にも大量の泡が発生しています。

洗浄後は過酸化水素分解剤を投入し、水と酸素に分解します。廃液は、タンクに改修し産業廃棄物として処分しました。

冷却塔(クーリングタワー)の高圧洗浄

洗浄後は、冷却塔(クーリングタワー)を高圧洗浄機で清掃しました。

上部散水槽もキレイになり、目詰まりも解消されました。

 

冷却塔内部のストレーナー

Before

After

スケール洗浄の対象機器

以下の機器類については、スケール化学洗浄が可能です。

  • プレート式熱交換器
  • シェル&チューブ熱交換器
  • 凝縮器(コンデンサー)
  • 吸収式冷温水機
  • ターボ冷凍機
  • ブライン冷凍機
  • 水冷式コンプレッサ内部の熱交換器類(インタークーラー、アフタークーラーなどの部分洗浄)
  • 水冷式チラー凝縮器(コンデンサー)
  • 水冷式油圧オイルクーラー
  • 水冷式真空ポンプ
  • 水冷式ブロワー
  • その他水循環冷却機器

スケール洗浄のご案内

スケール化学洗浄では、カルシウムやマグネシウム、シリカに加えて鉄サビも溶解します。そのため、腐食が進行している場合、水漏れのリスクがあり、洗浄ができないことがあります。また、化学洗浄液が腐食を引き起こす材質が使用されている場合も、破損のリスクが伴い、洗浄が不可能な場合があります。

私たちのプロが現場を確認し、適切な判断をいたします。どうぞお気軽にセールスエンジまでご相談ください。

ご対応エリア:福岡県 / 熊本県 / 佐賀県 / 大分県 / 長崎県 / 鹿児島県 / 宮崎県

記事を書いた人

杉山 哲也

株式会社セールスエンジ 代表取締役社長

杉山 哲也

「お客様の『困った』を解決し、日本製造業の生産性向上に貢献する」を理念に、冷却塔の水質管理やメンテナンスで工場の安定稼働を支える専門家。ブログでは、冷却塔や水処理に関する役立つ情報を発信しています。
冷却塔のトラブルでお困りでしたら、お気軽にご相談ください。

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