Vol.55 冷却塔が詰まった配管問題を解決!藻や雑菌の繁殖を防ぐ方法
こんにちは、冷却塔トラブル改善プロ、株式会社セールスエンジの杉山です。今回は、製造工場で起こりがちな冷却水配管の詰まり問題について、実際の事例をもとに原因と解決策をご紹介します。冷却塔の管理にお悩みの方には必見の内容です!
配管詰まりの原因とは?
先日、「配管が詰まって冷却水が流れず、生産がストップしている」という緊急のご相談をいただきました。現場に駆けつけて確認すると、細い銅管にドロドロしたスライムが詰まっており、冷却水がほとんど流れない状態でした。
スライム発生の原因
調査を進めると、スライムの正体は藻や雑菌、さらにはレジオネラ属菌の繁殖によるものでした。冷却水が適切に管理されていない場合、これらの微生物が増殖しやすい環境になり、配管を詰まらせてしまいます。
配管洗浄の流れ
問題を解決するために、以下の方法で洗浄を行いました。
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養生作業
冷却塔周囲を養生し、洗浄液が飛び散らないように準備しました。 -
過酸化水素水の投入
洗浄液として使用したのは過酸化水素水です。これは温泉施設でもレジオネラ菌対策として使用されており、安全で効果的な洗浄方法です。 -
循環洗浄
冷却水を循環させながら少量ずつ洗浄液を投入しました。洗浄液の効果で、スライムや雑菌が分解され、茶色く濁った水が泡立つ様子が確認できました。.
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分解剤の使用
最後に、過酸化水素水の残留分を分解するための薬剤を投入。これにより、廃液をそのまま排水設備に流せる状態にしました。
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清掃作業
配管や冷却塔内部をきれいに洗浄し、設備の再稼働が可能になりました。
洗浄後の改善効果
洗浄後、冷却水の流量が大幅に改善し、設備トラブルが激減しました。また、詰まりやすかったストレーナの掃除も頻度が減少。さらなる予防策として、冷却水処理剤の薬注装置を設置し、定期的な水質管理を行うことになりました。
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まとめ
冷却塔の配管詰まりは、藻や雑菌の繁殖によるものが多く、適切な洗浄と水質管理が必要不可欠です。過酸化水素水を使用した安全な洗浄方法で、設備トラブルを未然に防ぎましょう。
ご一読くださりありがとうございました。