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Vol.48 冷却塔のファンからキュルキュル音?Vベルトのスリップが原因かも!

冷却塔(クーリングタワー)のファンから「キュルキュル」というスリップ音がする場合、それはVベルトが摩耗しているサインかもしれません。放置するとファンが回らなくなる可能性もあるため、早めの点検と交換が必要です。今回は、実際にお客様からご相談をいただいた事例をもとに、トラブルの原因と改善策について解説します。

冷却塔のファンからスリップ音がする原因

冷却塔のファンを回転させるVプーリーとVベルトがスリップすると、「キュルキュル」といった異音が発生します。この音が聞こえる主な原因は、以下のとおりです。

  • Vベルトの摩耗:長期間使用することで劣化し、摩擦力が低下
  • Vベルトの緩み:張力が適切でないため、滑りやすくなる
  • プーリーの摩耗:プーリー自体がすり減ると、ベルトとの接触が不安定に

応急措置としてベルトの張力を調整することはできますが、根本的な解決にはVベルトの交換が必要です。スリップを放置すると摩耗が進み、最終的にベルトが切れてしまい、冷却ファンが回せなくなります。

トラブル改善の事例

今回のお客様は、あらかじめVベルトの予備品を用意されていたため、すぐに交換作業に取り掛かることができました。適切な張力調整を行い、トラブルは無事解決しました。

冷却塔のVベルトは運転中に点検ができないため、破断してしまうと突然ファンが停止し、大きなトラブルにつながります。そのため、日常的な点検が重要です。

Vベルトの摩耗を早期に検知する方法

当社では、モーターの電流値測定を活用した日常点検を推奨しています。

  • 毎日、電流値を記録
  • Vベルトが摩耗すると電流値が低下
  • 低下を確認したタイミングで交換や張力調整を実施

この方法を取り入れることで、突然のVベルト破断によるトラブルを防ぐことができます。

動画で解説

YouTubeの動画では、冷却ファンのVベルトの日常点検について解説しています。ぜひご視聴ください。

まとめ

  • 冷却塔のファンから「キュルキュル」音がしたら、Vベルトのスリップを疑う
  • Vベルトの交換時期は8,000時間または1年
  • 突然の破断を防ぐために予備品を常備
  • モーターの電流値測定 による日常点検で、摩耗を早期に検知

冷却塔の安定稼働のために、Vベルトの定期的な点検・交換をおすすめします!

記事を書いた人

杉山 哲也

株式会社セールスエンジ 代表取締役社長

杉山 哲也

「お客様の『困った』を解決し、日本の製造業を支える!」をモットーに、冷却塔の水質管理やメンテナンスをしています。
このブログでは、冷却塔や水処理に役立つ情報を発信中!
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対応地域:九州北部エリア(福岡・熊本・佐賀・長崎・大分)

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