株式会社セールスエンジ

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Vol.58 冷却水の流量低下で設備が停止!?原因は循環ポンプのエア噛みとキャビテーション

お客様のお困り事

工場全体で使用している冷却水の流量が低下し、設備の流量センサーが「流量低下異常」としてエラーを検知。設備が停止して稼働できないというご相談をいただきました。

密閉された冷却水系統において、配管内に空気が混入したことで、循環ポンプがエアを噛み込みキャビテーションが発生。これにより、吐出不良が起きていました。

その原因として考えられたのが、循環ポンプのマウスリング(ライナーリング)の摩耗です。摩耗によって吐出側の水が吸込み部へ押し戻され、負圧が発生。その結果、グランドパッキン部から空気が吸い込まれている状態でした。

通常、グランドパッキン部からは水がにじみ出るのが一般的ですが、回路が密閉されている場合、水量が減少すると逆にエアを吸い込む現象が起こることがあります。

トラブル改善のご提案

早急に循環ポンプを手配し、新品のポンプへと交換工事を実施しました。

その結果、キャビテーションも解消され、冷却水の流量も無事回復しました。

まとめ

ポンプのトラブルを未然に防ぐには、日常点検が重要です。吐出圧・吸込圧・流量などの数値を定期的にチェックすることで、数値の変化からトラブルの兆候を早期に発見できます。

また、急な停止を避けるためにも、定期的な整備・メンテナンスを行うことをおすすめします。

記事を書いた人

杉山 哲也

株式会社セールスエンジ 代表取締役社長

杉山 哲也

「冷えない」「流れない」「詰まる」その時の不安を、すぐに解消できる存在でありたい。工場の安定稼働を陰で支える“縁の下の力持ち”として、冷却塔の管理に取り組んでいます。
このブログでは、専門的な内容をわかりやすく嚙み砕き、設備担当者の方がすぐに活かせるヒントを発信しています。
対応エリア:九州北部(福岡・熊本・佐賀・長崎・大分)

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