冷却塔の水濃縮を防ぐ秘訣!効果的な水質管理法とは?
こんにちは、冷却塔トラブル改善プロ、株式会社セールスエンジの杉山です。今回は、冷却塔(クーリングタワー)の水の濃縮を防ぐ方法について解説します。冷却塔の効率を保ち、トラブルを未然に防ぐための重要なポイントをお伝えします。
水の濃縮とは?
冷却塔では、水を蒸発させることで冷却を行いますが、その際に水中のミネラルや不純物が濃縮されます。水にはカルシウム、マグネシウム、シリカなどのミネラル成分が含まれています。冷却塔で水が蒸発すると、これらのミネラルが濃縮され、スケール障害や腐食、スライムの増殖などの問題が発生します。
例えば、みそ汁を煮詰めると水分が蒸発し、みその成分が濃くなるように、冷却塔の水も蒸発を繰り返すことでミネラル分が蓄積していきます。
濃縮が引き起こす問題
水の濃縮が進むと、次のような問題が発生します:
- スケール障害:ミネラル成分が固まり、設備に付着する。
- 腐食:塩分の濃縮により金属部分が腐食する。
- スライムの増殖:微生物が増え、衛生上の問題を引き起こす。
濃縮を防ぐ方法
濃縮を防ぐためには、古くなった冷却水を排水し、新しい水と入れ替えることが必要です。主な方法として次の3つがあります。
-
連続ブローダウン
手動で給水バルブを開け続け、新しい水を連続的に供給します。この方法は簡単ですが、水の使用量が増えます。
. -
強制ブローダウン
冷却塔の下部水槽に設置された装置で、一定量の冷却水を排水します。循環水量に対して約0.5%を排水し続ける必要があります。
. -
自動ブローダウン
電気伝導率センサーを使って水の汚れを検知し、自動的に給水バルブを開閉します。この方法は、必要な時だけ水を交換するため、節水効果があります。
以下の写真が、自動ブロー装置です。
冷却塔(クーリングタワー)の補給水配管を分岐させて、自動ブロー弁を取り付けます。
以下の写真が、自動ブロー弁(電動弁)です。
自動ブロー弁は濃縮が高くなった時に、自動で開き給水します。水が入れ替わり電気伝導率センサーの数値が下がったら、バルブは閉じられます。
冷却水の水処理が必要な理由
冷却塔で使用される冷却水は、循環利用することで様々な障害が発生します。これを防ぐためには、適切な水質管理と水処理薬剤の添加が必要です。濃縮を管理することで、節水や省エネ、コスト削減が実現できます。
動画で解説
YouTubeの動画では、冷却水の濃縮が引き起こす問題とその防止方法について詳しく解説しています。ぜひご視聴ください。
まとめ
冷却塔は水を蒸発させて冷却しますが、その過程で水の濃縮が進みます。これを防ぐためには、適切なブローダウンと水質管理が欠かせません。水の濃縮を防ぐことで、設備のトラブルを減少させ、長期的な運用コストの削減につながります。
ご一読くださりありがとうございました。