冷却塔(クーリングタワー)の上に藻が生える原因と対策
冷却塔(クーリングタワー)の上に藻が生える原因
冷却塔(クーリングタワー)の上に藻が生えて、散水槽から水が溢れるなどのトラブルで、お困りの方は多いと思いのではないでしょうか。藻の繁殖することで、度々、冷却塔(クーリングタワー)の上に昇って清掃をされていると思います。最近では、工場内の労働安全衛生法上で転落などの危険があり、冷却塔の上部に登るのは、禁止されている企業様も多くなっています。
そこで、冷却塔(クーリングタワー)の上に藻を生えなくする方法をお伝えいたします。
冷却塔に藻が生える原因とは
冷却塔(クーリングタワー)の循環する冷却水は、同じ水を使いまわしているため、外気とともに運ばれてきた微生物や菌が冷却水へと混入します。そのまま使い続けると、冷却水の中で繁殖します。
金魚鉢の水が、藻で繁殖して緑色になるのを、見られたことはありませんか?
藻類は、光合成を繰り返することで繁殖します。
冷却塔の上部散水槽に藻が生えた様子
とくに、冷却塔(クーリングタワー)の上部散水槽は、日当たりが良いため藻がとても繁殖します。
冷却水が冷えなくなる原因
冷却水が冷えなくなる主な原因は、冷却塔内で藻が繁殖することが原因です。冷却塔は外気とともに微生物や菌を取り込み、冷却水に混入します。冷却水には、藻が増殖するための栄養分が多く含まれています。また、冷却塔内の上部散水槽で藻が詰まり、水の流れが滞ることも冷却水の温度上昇の原因です。
藻の繁殖を防ぐ方法
冷却塔(クーリングタワー)の藻の繁殖を防ぐ方法は、いくつかありますのでご紹介します。
日光を遮ることで藻の繁殖を抑える方法
藻の繁殖を抑える効果的な対策として、冷却塔(クーリングタワー)の上部散水槽に、蓋(カバー)をつける方法があります。蓋(カバー)をつけ日光を遮断し、日を当たらなくすることで藻は繁殖しなくなります。
冷却塔(クーリングタワー)メーカーでオプションとして、散水槽カバーを用意されています。
ただし、カバーを付けて藻の繁殖は抑えることができますが、ゴミなどが散水槽の穴に詰まることもありますので、定期的に清掃は必要です。
上部散水槽に蓋を付けた状態
殺菌殺藻剤で藻の繁殖を抑制する方法
藻(スライム)の繁殖には、スライムコントロール剤(殺菌殺藻剤)を冷却水に添加することで繁殖を抑制することができます。
皆さん馴染みがあるのは、プールに沈んでいる白い錠剤です。塩素(次亜塩素酸ナトリウム)で水道水の殺菌にも使われており、かなり低い濃度でも藻や雑菌の繁殖をおさえる効果があります。
塩素は、藻のほかにも細菌類やカビ、レジオネラ属菌にも、非常に効果があるため水処理薬剤としてよく使用されています。
ですが、大きな欠点があります。それは、とても腐食性が強いことです。
下の写真は、塩素の濃度が高すぎて腐食した配管です。冷却水中で塩素濃度が高い状態が続くと、短期間でこのように金属を腐食させてしまいます。
そのため、塩素の濃度管理はこまめに行う必要があります。また、冷却水では防食剤との併用した使用をお勧めいたします。
塩素の濃度測定
冷却水で塩素を使用する際には、残留塩素濃度計を使って、定期的に塩素濃度の測定を行います。
写真は、ポータブルの残留塩素濃度計です。残留塩素測定器について詳しく、こちらをご覧ください。
冷却水中での塩素濃度としては、遊離残留塩素で0.5mg/L以下で管理を行います。遊離残留塩素の濃度が0.5mg/L以下は、水道水と同じレベルの濃度になります。
動画について
このYoutubeでは、冷却塔(クーリングタワー)でコケや藻の繁殖する原因と水処理の必要性について詳しく解説していますので、ご視聴ください。
まとめ
冷却塔(クーリングタワー)の水処理において殺菌が重要な理由は、外部からの微生物の侵入や繁殖を防ぎ、水の品質を維持するためです。塩素(次亜塩素酸ナトリウム)は液体または固形の形態で投入され、水中の微生物の成長を抑制します。塩素の利用にはコスト効率が高く、効果的な除菌が可能ですが、誤った使用は設備の腐食を引き起こす可能性があります。水質管理は塩素の適切な投与量や濃度管理が重要であり、特に塩素の誤った使用は設備への損傷を引き起こす可能性があります。
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