株式会社セールスエンジ

「設備の未来(あした)をささえる」
冷却塔トラブル改善プロ

冷却水のpH(ペーハー)は、なぜ上昇するのでしょうか?

こんにちは、「冷却塔トラブル改善プロ」の杉山です。今回は、冷却塔(クーリングタワー)でよくある問題の一つ、「冷却水のpH(ペーハー)がなぜ上昇するのか?」についてお話しします。

冷却水のpHが上昇すると困るトラブル

水質汚濁防止法による排水規制

水質汚濁防止法で指定を受けた「特定施設」の工場や事業所では、法的な排水規制があります。この法律により、排水されるブロー水のpH(ペーハー)が基準を超えると、排水が許可されません。冷却水は循環を繰り返すうちにpH(ペーハー)が上昇し、排水基準を超えてしまうことがあります。

pH(ペーハー)が高いと困るのは、冷却塔(クーリングタワー)から排水されるブロー水が排水基準pH5.8~8.6(海域にあってはpH5.0~9.0)を超えるので、工場外へ排水することができなくなります。

冷却塔(クーリングタワー)へ補給される前の水は、一般的な水質ではpH7前後の中性です。ですが、冷却水は循環を繰り返しているうちに、pH9.0前後くらいまで上昇することがあります。

適切に排水するには、排水基準値のpH8.6以下に中和処理をしなくてはいけません。

冷却塔(クーリングタワー)冷却水のpHが高くなる理由

冷却塔(クーリングタワー)で使用する冷却水のpHは、なぜアルカリ性になるのかというと、水の中には、炭酸ガス(二酸化炭素)が溶けていて、炭酸が多く含まれる水はpHが低く酸性になります。身近なもので炭酸ガスは、ビールやコーラなどに入っています。炭酸飲料は、pHが低い酸性です。コップに注いで、そのまま放置し炭酸が抜けていくと、徐々にpHは上昇します。

冷却水も同じように炭酸ガスが(二酸化炭素)が含まれており、循環しているうちに炭酸ガスが抜けていくとpHが上昇しアルカリ性になります。

pHが酸性化するケース

これは例外的なケースですが、冷却塔(クーリングタワー)の設置場所によっては、工場などから排出されるばい煙(NOxやSOxなど)を吸い込むことで、冷却水のpHが異常に低下し酸性化することがあります。

対策と中和処理

高いpHはトラブルのもととなりますが、適切な対策と中和処理で管理できます。

中和処理

pHが基準を超えた場合は、中和処理をおこないます。
これには、硫酸や塩酸の添加、炭酸ガスの吹き込みなどがあります。

定期的な監視

冷却水のpHが高いとスケール障害につながるため、定期的に監視し、必要に応じてブローで水の入れ替えをおこない調整を行います。当社が管理をおこなっているお客様では、水処理薬剤の添加やブローの管理で冷却水のpHを8.0~8.6程度に抑えて水質管理をおこなっています。定期的に水のサンプリングをおこない水質分析書の提出をおこなっています。

また、冷却塔からでるブローの排水は、地域ごとの放流基準にしたがい、工場内の総合排水設備などへ送り適切に処理をおこない放流しています。

動画で詳しく解説

具体的な例や詳細な説明は、YouTube動画でご覧いただけます。冷却水のpHの上昇メカニズムや対策について、より深く理解できるでしょう。

冷却水管理装置のテスト機貸出し

セールスエンジでは、水質管理の効果を実感いただくために、冷却水管理装置の無料テスト機貸出しを行っています。冷却水のトラブルにお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。

冷却塔(クーリングタワー)のトラブル改善については、「冷却塔トラブル改善プロ」まで、お気軽にお問い合わせください。

公式SNSで最新情報をチェック

冷却塔に関する情報やトラブル改善についての情報は、公式SNSで毎日更新しています。ぜひフォローして最新情報をチェックしてください。

冷却水の管理に関するご質問やお悩みがあれば、お気軽にお問い合わせください。「冷却塔トラブル改善プロ」がサポートします。