冷却塔(クーリングタワー)のスライム薬品のバッチ投入とは
こんにちは、「冷却塔トラブル改善プロ」の杉山です。
水処理薬品の投入方法について、ご質問をいただきました。
「クーリングタワーに入れる薬剤を薬注タンクからポンプで自動投入しています。」
「それとは別に、定期的にバッチ投入しているのですが、バッチ投入とは何のことですか?」
冷却塔の冷却水へ薬品を注入するには、いくつか方法があります。
一般的な方法として、薬注ポンプで点滴のように入れる自動注入、もう一つは、計量カップで量をはかり、定期的に薬剤を入れるバッチ投入です。
バッチとは、一括や、一度にと言う意味です。
この二つの投入方法をあわせて行うのは、スライムやレジオネラ属菌に対する水処理方法になります。
自動注入は、冷却水中の薬剤濃度を一定に維持し、スライム(雑菌や藻)やレジオネラ属菌の繁殖を抑制しています。この水処理剤のことを、スライムコントロール剤と呼びます。
コントロール=抑制です。
業界用語では、スラコン剤と呼んでいます。
菌が活発に繁殖し抑制しきれなくなったときに、薬剤をバッチで投入します。バッチ投入する薬品も種類は同じような成分ですが、水に入れる濃度が違います。冷却水に高濃度で一括投入し、スライムやレジオネラ属菌を短時間で殺菌します。
数週間後、また菌が増殖してきたら投入する。これを定期的に繰り返します。
それと、冷却塔(クーリングタワー)を清掃した時は、水を入れ替えますのでバッチ投入が必要です。薬注ポンプで入れても濃度が上がるまで数日掛かります。その間は、薬剤濃度が低い状態なのでスライム、レジオネラ属菌の繁殖が起こります。清掃後は、必ずバッチ投入を行ってください。
バッチで薬剤を入れる際の量は、保有する冷却水の量から計算します。薬剤が少ないと水で薄まり効果がなく、多すぎると濃度が高く設備を腐食させたりします。
量を適当に入れては、絶対にダメですよ。
人が風邪を引いたときに、適当に薬を飲んだりしませんよね。水処理薬剤は、プロの処方箋にもとづき注入する必要があります。
YouTubeでもバッチ投入について詳しく解説していますのでご視聴ください。