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固形タイプの冷却水処理薬剤が効果を発揮しない理由

冷却塔(クーリングタワー)で使われる固形タイプの冷却水処理剤が効果を発揮しないという話をよく聞きますが、その理由を説明します。

固形水処理薬剤

固形タイプの水処理薬剤とは

冷却塔で使用する固形状の水処理薬剤で、冷却塔に投入するだけのため薬注ポンプやタンクの設置が不要な簡易的なものです。

固形タイプ水処理薬剤の効果について

冷却塔内に簡単に設置でき、スケールや藻の繁殖、腐食を防ぐと言われている固形水処理剤ですが、実際には効果がほとんど見られません。なぜでしょうか?

固形水処理剤の問題点

冷却水に水処理剤を添加する際、水質管理が不可欠です。薬剤は一定の濃度で保持される必要があります。しかし、固形タイプは溶け方にムラがあり、濃度管理が困難です。流れの速い場所に置くと急速に溶けるため、一定の濃度を維持するのが難しいのです。

液体タイプの水処理薬剤との違い

固形タイプは使用が簡便ですが、液体タイプに比べて濃度管理が難しく、効果が持続しにくいです。液体タイプは濃度の微調整が可能で、季節変動や熱負荷にも適しています。

水質管理との関係

冷却水は濃縮が繰り返されるため、常に水質が変化します。固形剤を使う場合、濃縮管理が不十分であれば効果が得られません。水処理剤は水質管理とともに行われなければ意味がありません。

まとめ

固形タイプの冷却水処理剤は手軽に使用できますが、濃度管理が難しく、効果が持続しにくいという欠点があります。水質管理との組み合わせが必要であり、液体タイプの水処理剤がより適しています。冷却水の品質を維持し、トラブルを防ぐためには適切な管理が重要です。

記事を書いた人

杉山 哲也

株式会社セールスエンジ 代表取締役社長

杉山 哲也

「冷えない」「流れない」「詰まる」その時の不安を、すぐに解消できる存在でありたい。工場の安定稼働を陰で支える“縁の下の力持ち”として、冷却塔の管理に取り組んでいます。
このブログでは、専門的な内容をわかりやすく嚙み砕き、設備担当者の方がすぐに活かせるヒントを発信しています。
対応エリア:九州北部(福岡・熊本・佐賀・長崎・大分)

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