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冷却塔トラブル改善プロ

Vol.03「油圧式射出成型機の作動油が冷えずに温度異常が発生」 地下水は危険?化学洗浄でスケール除去!

油圧式射出成型機の作動油が冷えずに温度異常が発生するトラブルについて、改善事例をご紹介いたします。

 

お客様からの相談内容

樹脂の射出成型をしているが、射出成型機が油温が高くなり温度異常で頻繁に停止するため、改善して欲しいとのご相談がありました。

 

現場の状況

油圧式の射出成型機で、プラスチック樹脂の製造を行われています。射出成型機は、溶けたプラスチックの樹脂を油圧を使い高圧で金型に押し込んでいます。油圧は圧縮する際に熱を発し、作動油の温度が上昇します。作動油の温度を下げるために、水冷式のオイルクーラー(熱交換器)を通して冷却され、冷却水は冷却塔(クーリングタワー)を使用されていました。

冷却塔(クーリングタワー)の冷却水は、よく冷えた状態で循環しているのですが、作動油はオイルクーラーを通しても冷えない状態でした。そのため、油温は上昇し続け、高温になると温度異常で射出成型機が停止し困られていました。

射出成型機オイルクーラー

 

トラブルの原因

冷却塔(クーリングタワー)の冷却水は、地下水を利用されてました。地下水は、カルシウムやシリカなどの不純物を多く含んでいる事があり、スケール障害が起こりやすい水質です。

冷却水の水質を調べるために、いつも持ち歩いているポータブル式の電気伝導率計で冷却水を測定してみると、かなり数値が高く冷却水が過剰濃縮している状態でした。

冷却水の濃縮については、YouTubeで解説しておりますのでご視聴ください。

濃縮によって、オイルクーラー内の熱伝達部にカルシウムやシリカが析出し熱が伝わらなくなり、作動油が冷却できなくなっていることが推測されました。

 

トラブル改善のご提案

作動油が冷えない状態でしたので、オイルクーラーの冷却水が通る水管を、洗浄液を使い化学洗浄することをご提案しました。オイルクーラーの冷却水配管を外して、仮設のポンプをつなぎ洗浄液を循環させます。

化学洗浄液は、塩酸やフッ酸などを使ってスケールを溶解します。長時間、洗浄を続けると内部が腐食している場合は、熱交換部に穴が開くため細心の注意を払いながら洗浄時間を決めていきます。

オイルクーラー化学洗浄

油圧式射出成型機のオイルクーラーを化学洗浄している動画です。

YouTubeでも射出成型機のオイルクーラースケール洗浄についてお話ししています。

 

お客様の声

「オイルクーラーのスケールが除去されたことで、作動油の油温が-10℃下がり、射出成型機が油温異常で停止することは無くなりました」

「生産ができずに困ってましたが、夏場でも安定稼働することができ改善できて助かりました」

当社では、油圧オイルクーラーのトラブルについて、スケール化学洗浄による改善のご提案を行っています。スケールを防止する水処理薬剤の効果を検証するため、薬注装置のテスト機もご用意しております。テスト機で得た水質データをもとに、導入を社内検討いただくことも可能です。冷却塔(クーリングタワー)のトラブル改善については、「冷却塔トラブル改善プロ」まで、お気軽にお問い合わせください。