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冷却塔(クーリングタワー)がどれだけ冷やせるか?外気湿球温度との関係

冷却塔(クーリングタワー)がどれだけ冷やせる?外気湿球温度との関係

冷却塔(クーリングタワー)は、冷却水を循環させることで熱を放出し、工場などの設備を冷却します。その際、冷却水の温度差が重要な役割を果たします。冷却塔は、冷却水をどれだけでも冷やせるわけではなく、冷却できる水温には限界があります。冷却塔が冷やせる水温と原理について解説いたします。

冷却塔との関係

冷却塔で冷却される仕組み

冷却塔では、冷却水が熱交換器や充填材を通過し、蒸発潜熱によって冷却されます。その後、冷却水は再び冷凍機や設備などに送られます。

温度差の重要性

冷却塔が温度差を保つことで、設備を適切に冷却することができます。また、温度差の維持はトラブルや劣化を防ぎ、設備の安定稼働を支えます。

冷却塔の温度差とは

冷却塔(クーリングタワー)の温度差とは、入口水温と出口水温の差を指します。入口水温は供給される循環水の温度であり、出口水温は冷却塔が冷やして冷凍機や設備などに戻す循環水の温度です。この温度差は、冷却塔の正常な運転にとって極めて重要です。

冷却塔と外気湿球温度の関係

冷却塔(クーリングタワー)の性能は外気湿球温度にも大きく影響されます。外気湿球温度は蒸発冷却の効率を左右し、冷却塔の出口水温を制限します。外気湿球温度が高いと、冷却塔の冷却効率が低下し、出口水温が上昇します。

外気湿球温度とは

湿球温度とは、温度計に湿らせたガーゼや布などを巻き付けた状態で、湿度が飽和状態で計測した温度です。そのままの状態で計測した温度を乾球温度と呼びます。湿球温度は、乾球温度と比べ低くなります。温度が低くなるのは、湿らせた布が蒸発する際に気化熱によって熱を奪うため測定温度が下がります。

冷却塔湿球温度

地域による冷却塔規模の違い

冷却塔は、外気の風を使って冷却水を冷やしているため、気温によって選定能力が変わります。北海道と九州では、外気温が違いますので、冷却塔の規模が変わります。気温が低い地域では、冷却塔は小さくて済み、気温が高い地域では、冷却塔が大きくなります。更に、同じ気温でも湿度が低い方が、冷却水の蒸発量が増えよく冷えるようになります。冷却塔の選定をする際には、外気湿球温度が地域によって違いますので、事前に確認が必要です。

全国の外気湿球温度については、下記のサイトを参照ください。

https://mchem-infratec.com/setu/tower/technical/b.html#c02

外気湿球温度について動画で解説

YouTubeでも、冷却塔と湿球温度の関係について詳しく解説していますので、ご視聴ください。

まとめ

冷却塔は、外気条件や設置場所に応じて温度差を調整し、冷却水を効果的に冷やします。適切な温度差の維持は、冷却塔の性能と設備の安定稼働に不可欠です。したがって、冷却塔は常に温度差を監視し、必要に応じて調整する必要があります。