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冷却塔ピット容量の最適化:エア噛み防止とシステム安定性の確保

こんにちは、冷却塔トラブル改善プロ、株式会社セールスエンジの杉山です。今回は、冷却塔(クーリングタワー)に併設されたピットの容量について解説いたします。冷却塔のピット容量計算は、冷却水システムの効率と信頼性を確保するために不可欠です。適切な容量を確保することで、エア噛みのリスクを低減し、システム全体の安定性を向上させることができます。ぜひご参考にされてください。

ピット容量の計算方法

冷却塔のピット容量は、冷却対系内で保有する水量の3倍を目安に設定することが推奨されます。例えば、保有水量が1㎥の場合、ピット容量は以下のように計算されます。

ピット容量 = 系内保有水量 × 3
ピット容量 = 1㎥ × 3 = 3㎥

ピット容量を増やす理由

  • エア噛み防止:十分な水量を確保することで、ポンプのエア噛みを防ぎます。
    .
  • 緊急時対応:メンテナンスや緊急停止時にも対応できる余裕を持たせます。
    .
  • 運転の安定性:水量の変動や急な需要増加にも柔軟に対応できます。

具体的な設計への注意点

ピット容量を設計する際には、システム全体の構成や運用条件を詳細に検討し、ポンプの特性や他の機器との連携を考慮することが重要です。設計エンジニアやメーカーのガイドラインに従い、必要に応じて調整を行いましょう。

動画で解説

YouTubeの動画では、冷却水ピットの容量について解説しています。ぜひご視聴ください。

まとめ

冷却塔のピット容量は、冷却水システムの安定運転に直結します。エア噛み防止や緊急時対応のために、冷却水系内で保有する水量の3倍の容量を目安に設計することが推奨されます。具体的な設計には、専門家のアドバイスを受け、システム全体を考慮した最適な容量を確保することが重要です。

記事を書いた人

杉山 哲也

株式会社セールスエンジ 代表取締役社長

杉山 哲也

「冷えない」「流れない」「詰まる」その時の不安を、すぐに解消できる存在でありたい。工場の安定稼働を陰で支える“縁の下の力持ち”として、冷却塔の管理に取り組んでいます。
このブログでは、専門的な内容をわかりやすく嚙み砕き、設備担当者の方がすぐに活かせるヒントを発信しています。
対応エリア:九州北部(福岡・熊本・佐賀・長崎・大分)

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