密閉式冷却塔で水漏れが発生したら?効果的な調査方法と対策
こんにちは、冷却塔トラブル改善プロ、株式会社セールスエンジの杉山です。今回は、密閉式冷却塔(クーリングタワー)の水漏れ調査方法について解説します。密閉式冷却塔を使用されている方や、現在水漏れの問題に悩んでいる方にとって、役立つ情報をお届けいたしますので、ぜひ最後までご覧ください。
密閉式冷却塔の仕組みと特徴
密閉式冷却塔は、その名の通り、外部と内部の水が直接接触しない構造を持っています。内部には銅のチューブが組み込まれており、このチューブを通じて設備を冷却します。チューブの外側には水が撒かれ、二次冷却を行う仕組みです。この設計により、冷却水が外部の環境にさらされることなく、効率的に冷却が行われます。
しかし、密閉式冷却塔の銅チューブは非常に薄く、腐食しやすいという欠点があります。そのため、定期的なメンテナンスが欠かせませんが、万が一腐食が進行すると、水漏れが発生する可能性が高まります。冷却塔内で大量の水が使用されているため、水漏れ箇所の特定が非常に難しいという問題があります。
水漏れ調査の手順
密閉式冷却塔で水漏れが発生した場合、その箇所を特定するためには慎重な調査が必要です。以下に、効果的な調査手順を紹介します。
膨張タンクの確認
まず、冷却塔内の膨張タンクを確認します。膨張タンクは、配管内の水が膨張する際にエアを抜く役割を果たしており、このタンクから水が少量ずつ漏れ出ている場合、内部の銅管に損傷がある可能性が考えられます。
漏れ箇所の特定方法
1. 冷却塔の水を完全に排出し、内部を乾燥させます。乾燥時間はおおよそ半日程度です。
2. 内部が完全に乾いた状態で、銅管の損傷箇所から水がじわじわと漏れ出る様子を観察します。この漏れ出る水を確認することで、問題箇所を特定することができます。
防食剤の使用に関する注意点
もし冷却塔内に防食剤を使用している場合、水漏れが発生するとその効果が失われる可能性があります。そのため、水漏れが発見された際には、できるだけ早急に修理を行い、防食効果を維持することが重要です。
動画で解説
YouTubeの動画では、密閉式冷却塔の水漏れ調査方法について詳しく解説しています。ぜひご視聴ください。
まとめ
密閉式冷却塔はスケール対策に優れた構造ですが、定期的なチェックとメンテナンスを怠ると、銅チューブの腐食による水漏れが発生しやすくなります。特に、防食剤を使用している場合は、水漏れによって防食効果が失われることがありますので、早急な修理が必要です。定期的なメンテナンスを行い、冷却塔の健全な運用を続けましょう。
ご一読くださりありがとうございました。